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□はじめてのキス
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『ふわぁあ〜ごちそうさまでした!』
今日は何故か奇跡的に誰も任務が無くて、テーブルに暁フルメンバーが揃っていた。
鬼鮫がそのままで言いと言うので食器をそのままにして、自室へ向かおうとした。
「あ、名無しさん」
『なに?』
呼び止めたのは私の彼氏、飛段だった。
デイダラ「わー、名無しさんをナンパしてるぜ…うん」
「オイオイオイ!名無しさんは俺の女だぞ!調子のんじゃねーよホント」
サソリ「ほっとけよ…」
『………』
面倒くさいのでもう行こうとしたらやっぱり飛段に止められた。
見せたい物があるから着いてこいと。
仕方なく着いていくと、飛段の自室に入れさせられた。
『なんなのよー、私もう眠いんだから』
「まぁまぁ、いいじゃねーか。ちょっとベッド座ってまっとけ」
………
仕方なく座ると、なにやらニヤニヤした飛段が隣に座った。
「あのさ、これ…」
『…ぇ』
見ると飛段の手には押し花の栞が。
「俺たち、今日で半年だろ?だから…本当はもっといいもんあげたかったんだけどな、お金が無くて角都にも頼めねぇし。バイトとかしたくねぇけど金なくて、で、女って花が好きとか聞いたから頑張って作ってみたんだけどよ」
『……』
「名無しさん…?」
思わず泣き出す私にあたふたし出す飛段。
『ごめん、覚えてくれてるなんて思ってもみなくて…ありがと。飛段って、可愛いところあるんだね』
「わ、忘れるわけねーだろ!んなことで泣くんじゃねぇよバーカ!」
涙をぬぐいながら言う私に飛段は恥ずかしそうに目線を反らした。
『この栞…大事にするね。飛段が初めてくれたものだもん』
「ったくよー、嫌われてるかと思って焦ったのになんだこのほのぼのした雰囲気。」
『…?』
「話しかけてもそっけねーし、半年も付き合ってんのに何の発展もねーし。つかキスまで拒むし、超スーパー病んでたんだぜ、ホント」
『ごめん…そんなに悩んでたんだね』
「あったりめーだ!」
ちゅ
今まで、恥ずかしくて出来なかったけど飛段の事が愛しくて愛しくてたまらなくなった。
みんなの前でいちゃつこうとするから、そのあと私が怒っちゃっておしまい。
そんな私をそれでも一途に愛してくれている事がたまらなく嬉しくて、やっとの思いでファーストキスをした