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□プールサイドでヤキモチループ
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次の日
『ごめんね、急に誘っちゃって…』
「いいっていいって」
所変わってここはプールサイド。
銀時に全く相手にされなかった名無しさんは、あの後友達に連絡をし二人でプールにやってきたのだった。
「今日は彼氏さん居ないの?」
『うん、仕事なんだってー』
「それにしてもひどい話よね、今時エアコンが無いうえにプールにすら連れてってもらえないなんて」
『本当だよね、もうあんな彼氏別れちゃおっかなー』
「お姉さん、彼氏と別れちゃうのー?」
友達と話していると、突然男3人組が二人に話し掛けてきた。
『行こう?』
友達の手を引っ張り、男から離れようとしたときだった。
大好きな彼の声が、微かだが名無しさん耳に入ってきたのだ。
無意識に声がする方を見渡すと、双眼鏡を手に持つ銀時がいた。
ところが彼は、明らかに下品な話をしているのがわかった。
デカプリ子とかロバート絶壁スとか…
『私は絶壁なんですね、わかりました』
小さく呟くと、振り返り男に話し掛けた。
『ビーチボール、一緒にやらない?』
「ちょっと名無しさん?!私ナンパ男と遊ぶ気ないんだけど!っていうかあそこにいるのあんたの彼じゃない?!」
『ごめん。でも、男の人と居るところ、見せてみたくなっちゃって…付き合ってくれないかな』
「もう…」
はぁ、とためいきをついた友達も、男に話し掛け、5人で遊ぶことになった。
ビーチボールが始まり、リズムよくボールが受け渡しされていく。
その中で、ボールなど見ずに気付くと名無しさんは銀時を見ていた。
ツインテールの子の水着に手を引っ掻けたり、ボインなお姉さん達と戯れてたり…そりゃ私なんかとプール来たって楽しくな
自分の世界に入っていた名無しさんの視界が突如ブレた。
「ちょっと大丈夫?!ボール顔面に当たるとかベタ過ぎるから!」
『あ、大丈夫大丈夫…』
「お姉ちゃん大丈夫?」
一人の男が近付いてきて名無しさんの頬に触れる。
そんな中でも名無しさんは銀時を見ているが、銀時は名無しさんに気付かなかった。
『大丈夫です、すみません、もう一回やりましょ!』
吹っ切れたのか、その後名無しさんは銀時の方を見ることはなくビーチボールは進められた。