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□ちいさなこころA
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目が覚めるとそこは、真っ白な天井の薬の匂いが臭い病院だった







ちいさなこころA

















『…………』

「名無しさん…?」




声がして

その声の方を向きたいのに

なかなか向けない




『ん…』

「っオイ、無理すんな!」


次に視界に入ったのは、

目を見開いた銀ちゃんと、鼻から下に伝う緑色の透明の管だった。






『…銀、ちゃ…』



息をする度に"スーハー"と音がして

なんだか怖い




「バカヤロー…」


言葉とは裏腹に頭を撫でられた。


そういえば私、銀ちゃんに別れを告げたんだった…





『どう、して…』

別れを告げたはずの彼が目の前にいる。
それが不思議で仕方ない。



「お前…必死こきすぎ。トラックにぶつかるとかドラマじゃねぇんだからよ…」

『トラック…』

「あんま俺を心配させんじゃねぇよ。俺から離れるとか許さねぇからな。」


『…』



またそうやって
私の心を奪おうとする

二股掛ける気ですか?






『だめ…だよ、』

「オイ、無理すんなってマジで…何がだめなんだか知らねぇけどよ、とりあえず今は寝ろ」


『今…話したい。』

「…」

.
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