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□プールサイドでヤキモチループ
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ビーチボールも飽きてきたと、ベンチに座り休憩をしていると、銀時の声が先程よりも鮮明に聞こえてきた。

見ると施設内には私達と銀時のグループのみだった。

ビーチボールに夢中になり、気付いてなかったのだ。

『っていうか…こんなに人居ないのに向こうも気付いてないわけ…』

「名無しさん、大丈夫?今はさ、折角プール来たんだから楽しもうよ、ね?」

『うん!そうだよね…』

騎馬戦をやる話が聞こえてきて、ポロリがどうとか言っていた。

「なになに、お姉さんたちあっちのお兄さんが気になるの?」

『まさか。全く興味ないです』

「じゃあさ、プールから出て、ご飯でも食べに行かない?俺達腹減っちゃってさぁ〜」

男に言われながらもう一度銀時を見てみた。

ボインな女の子たち。
銀時の必死そうな顔。

自分の体を見てみた。

貧相な胸。
平凡的なスタイル。
特別色気があるわけでも、可愛いわけでもない。

でも…


『ご飯は、ごめんなさい』

「は?」

『ごめんなさい』

「なに、こんなに遊んどいてこのあと何にもないと思ったわけ?今までの時間返してくんない?」

『私、帰ったらご飯作らないといけないし…』

「え、なに?もしかして結婚してんの?俺人妻好きなんだよねー」


友達が名無しさんの腕を握る


『結婚してません!っていうか…たぶん結婚してくれない…』

「だったら良いじゃん行こうよ」

2人は男3人に掴まれて、連れていかれそうになる。

『止めてください、一緒に遊んだのは謝りますけど、でも』

言いながら視界に変なものが見えた。
黄色くて丸い物体がカーンカーンカーン!っと男3人の頭に上手くクリーンヒットしたのだ。

身体が解放され、2人で逃げようとすると、また腕を掴まれた。

「お姉さん、どこいくの?」

恐怖を感じながらも振り向くと、そこには見慣れた顔があった。

『銀ちゃん…』

「ったく、世話かけんじゃねぇよ」

『ごめんなさい…』

「俺がいて良かった…」

友達の前だというのも構わず銀時は名無しさんを抱きしめる

『銀ちゃんが連れてきてくれないからだよ。絶壁だから嫌なんでしょ』

「え…その時からここに居たの」

『うん』

「あ!名無しさん姉アル!」

「あら本当!一緒にビーチボールやりましょうよ!」

『うん!』

銀時の腕から抜けて、友達の手を引き2人の元へ走り出した
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