プライベート7

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こんなにも楽しい時間を過ごせる俺は幸せだと思った。インスタも更新したいし、そうだ海外でも行くかってふと思いついた。これから本格的に始動したらまたそんな時間もなくなるし今がチャンスじゃね?と思ってじんに言えばすぐに了承してくれた。じゃあマネージャーも連れて行って撮影してもらおうぜとなったけど。まあそりゃできればさ、そこに彼女がいれば最高だと思った。けどなんとなく渋るのはこれが2人きりの旅行じゃないから。あれからじんとの時間が増えて、みぃちゃんとじんの時間も必然的に増えたから2人は本当に俺から見ても腹立つぐらい仲良くなってると思う。それにマネージャーのたっくんともかなり仲良いし。だからそんな2人に泊まりでみぃちゃんの姿をずっと見せるのも腹立ったけど。けど彼女と離れて過ごす時間はもっと嫌だったからみぃちゃんに聞けば彼女もたまたまスケジュールが空いていて。よし、行こうと思いついて来たらマジでめちゃくちゃ楽しかった。

「紫耀くんなにしてるの?」

「ん?写真見返してるの」

「え、なにそれ」

「じんと作ったみぃちゃんアルバム」

「ええ!なになに!やめてよ!なにそれ!!」

「無理、やめて。今どれ待ち受けにするか考えてる」

「ねえなんでソロ写真ばっかり!やだー!!!!」

車の中で嫌がるみぃちゃんを「しーっ」と抑えてから、この旅行での写真を見返す。ほんとかわいいな。バカ可愛い。なに、なんでこの人って事故写真みたいなの無いわけ。ぜんぶ可愛い写真なの意味わかんない。じんもめちゃくちゃ言ってたけどさ。なんでこの人毎秒可愛いわけ。今日撮った水族館の写真も、もうこれあれじゃん。なんか写真集じゃん。ほんと恐ろしいな野原みぃ。

「お、そろそろつくって〜」

「楽しみーー!!」

今日も一日中遊んですっかり夜になった頃。今度はビルの屋上にプールがついてるホテルがあるから、景色が綺麗と聞いて夜プールしようぜってなった。日本ではなかなか夜景を見ながらプールってないし。しかもめちゃくちゃ高層ビルらしいから景色はかなりいいみたい。これは楽しみだと思うけど隣でワクワクしてる彼女に一つ問題はある。

「絶対上着着てきてね」

「え?」

「水着の上に絶対着るの約束だからね」

「ふぁーーーい」

「絶対着ないじゃん」

「うそ、着る。だって夜プール絶対寒いもん」

「うん俺もそれ思ってる」

じんが隣で頷いてて。確かに夜は寒いよなって思いながらもこんな経験できないから夜景みたい欲が勝っていざホテルへ。俺らは海パン履くだけだしすぐだからじんはすぐにプールへ。俺は更衣室近くでみぃちゃんのこと待っとくことにした。

(あ、じんがさ、ここ行こうって)

(うっわ!!なにこれ!すごーい!!)

(夜景やばいらしいからみぃちゃん喜ぶかなって)

(うん!行きたい!夜プールとかあんまできないもんね!!したい!しよ!ナイトプールぱしゃぱしゃ!!)

(テンションやばすぎじゃない?)

彼女は基本なんでも楽しんでくれるタイプだけど一つだけ難点がある。それは自分の可愛さを何もわかってないってこと。だから嬉しそうにじんのLINE見てから小走りで水着を持ってきた彼女。

(ねえ!どっちがいいかな?)

(・・・)

みぃちゃんの持ってる水着がめちゃくちゃ可愛いのは知ってる。一つは真っ黒なビキニ。マジでこれが彼女の白い肌にあっててめちゃくちゃ綺麗なんよ。俺も今年の夏に川遊び行くってなってみぃちゃんに持ってる水着見せて貰ったけどマジで着てない水着見るだけで想像して鼻血でるかと思った。そしたらいざ着てみたら想像以上に似合ってて体型えぐ良くて。元々川遊びだから危ないのもあってラッシュガード着てもらう予定だったけど、それ見てすぐに上から着せたことは記憶にまだ新しい。(あんなものおじさんたちに見せるわけないだろ)けどそれとは別にもう一つ。レースになってる水色の水着もあるんだけど、これもまたビキニタイプでまあエロくて可愛い。マジでこれも黒とは違う雰囲気でレースだからスケスケでエロいわけ。だからその二つを嬉しそうに持ってきた彼女に、いやこんな可愛い水着、じんのいる前で着せるわけねぇだろと思ったけどあいにくみぃちゃんはビキニタイプの水着しか持ってないらしい。

(え、気に入ってない?)

(違う違う、悩んでただけ。どっちも可愛いからじんに見られたくないのよ)

(えー、でも水着は見せるもんだからさあ)

(うん、俺に!!見せるもんね。俺だけに!!ね)

(あはは、そうでした、ラッシュガード持って行きます)

(そうしてください、ちなみに次はレースでお願いします)

(あはは、了解です!)

そう言って彼女が荷物を詰めたのを知ってるのでみぃちゃんは今レースのビキニを着てくれてるはず。これは俺が1番に見るしかないでしょ。そう思ってベンチに座りながらじーっと更衣室を見てたらまあ断然びっくりするほどナイススタイルの女の子が向こうから歩いてきて。それには周りの外人も(てかほとんど男)目を向けるほど。ちゃんと言いつけ守ってラッシュガードきてるけどそれもそれでまたなんかエロくて可愛いな。みぃちゃんは俺をすぐに見つけて笑顔で寄ってきてくれる。

「待っててくれたの?ありがとう!」

「どーいたしまして、」

「紫耀くんやっぱ水着もかっこいいね」

「そ?みぃちゃんはマジで本当に可愛いね」

「あ、ねえねえ!紫耀くんだけだからお披露目していい?」

「え?」

そう言ってみぃちゃんは俺の手を引っ張って立たせると自販機を見つけてその裏に俺を連れて行って。それから周りをキョロキョロして人がいないことを見ると、ゆっくり上着のファスナーを下げて。そして前を全部開けてくれる。

「じゃーーーん!!どう!?これまだ着たこと一回しかなくて!!!!可愛い!?」

「っ、」

ええそりゃとっても。なんだこのエロいやつ。マジで唾を飲むってこう言う時に使うのかって思ったわ。ねえなにこれ。似合いすぎ可愛すぎ。これ人いなかったら危なかった俺絶対ぺろりと今食べてたわ。みぃちゃんのこと抱き潰してた自信しかないねんけど。ゆっくりジッパーが開いた上着をずらして彼女から奪い取る。え?とそんな俺に驚いてるみぃちゃんを抱きしめて肩に顎を乗せる。

「エロすぎ、まじやばい」

「っ、はずかしい、くっつかないで」

「なんで?いつも裸でくっついてんのに?」

「ねぇ怒るよ」

「はは、ごめん」

やばいやばすぎる。もう一回身体離して上から下まで全身くまなく見たけど可愛い。エロい。マジでこれはエロい。

「・・・やめて、無言で上から下まで見るの」

「いや黒もエロかったけどこれもエロいなって思って」

「エロくない、可愛いにして」

「可愛い、やっぱ俺の彼女世界一可愛い」

そういうと嬉しそうに笑ったみぃちゃんに心が熱くなる。このなんだろ、言葉にできない何とも言えない気持ち。身体中に熱いものが一気に溢れてたまらない気持ちになるんだよ。これに名前があるなら教えて欲しい。愛とか恋とかそんな簡単な一言で終わらせれないほどの想いをなんて呼べばいいんだろうね。

「ラッシュガードはそれはそれでエロいんだ」

「ぶん殴る」

「いった!!ちょ、ごめん!!」

そこからみぃちゃんを見まくってる男を睨みまくって(こんなに腰に手回して俺の女感出してるんだから見てくんなよばーか)プールに無事着けば、みぃちゃんをじーっと見たじんがぽそりとつぶやいたから頭を殴る。けど間違いない。あのやばい水着見なくてもエロいんだよなって思って常に彼女の隣にいながら俺らは景色を楽しんだ。まぁ日本ではなかなかできない体験をこうやってしてとにかく楽しんではしゃいで。けど気づけば夜にプール入るわけだからなかなか寒くてみぃちゃんが鳥肌立っているのに気づいて慌てて出ることになった。

「いい?しっかりシャワー浴びてきてよ!ここでまってるから」

「いや紫耀くんもすぐ浴びてきて」

「やだ。何があるかわかんないからここにいる。見張りしとく」

「やだよ、紫耀くんかぜ引くじゃん」

「だぁかぁら俺はだ「はいはーい、俺と紫耀で交代でここちゃんと立っとくからみぃちゃんは早くシャワー。身体冷えちゃうよ?」

こういう時にじんってすげぇなってマジで思うんだよね。こいつのこの客観的な冷静な意見が今までも俺らグループを助けてくれて。そしてきっとこれからもハッとじんの意見にするんだろうなって思う。みぃちゃんもじんの言葉になんとかシャワー浴びにいってくれたし。ありがとうって言えば俺にもシャワー浴びてこいって言うから秒で浴びにいって帰ってきた。

「はや、ちゃんとあったまった?」

「うん!早くじんも行ってきて」

「うぃー」

シャワー浴びたけどやっぱバスタブないから寒いなって思ったらすぐにじんも出てきて。2人で寒く無い?って言いながら待ってたらすぐにみぃちゃんも出てきて。俺を見るなりへにゃりと笑った彼女を抱き寄せれば。

「つめた!!!」

「ね、つかって無いから寒い」

「やばやば、早く行こ、風邪ひくよ」

そこから車戻ってとりあえず空調高めにしてなんとか凌いで。そして有名なカニ料理屋さんでご飯も食べた。3人でいろんな話して楽しい話も真面目な話もしてたらあっという間にいい時間になって。

「いーよ、寝て」

「んー、、」

「ホテルまで時間あるしね。紫耀俺運転するから後ろでみぃちゃんと座りな」

「お、さんきゅ」

もうほとんど夢の世界の彼女を後ろの助手席へと運んで俺の肩にもたれさせればそのまますぐにスヤスヤ眠りについた彼女。可愛いなぁと思っていればハンドミラーのじんとガッツリ目が合う。

「・・・なに」

「え?顔やば、思って。ゆるゆるよ?」

「なるだろこんな可愛いんだから」

「なぁ?無限に可愛いよね」

「マジでやばい。俺がもたない」

「ねぇー、それはそうなるよ」

こんな時間を過ごせるようになるなんてあの時の俺は思ってなかったから。初めて彼女に会った時の衝撃。どんどんみぃちゃんに会うたびに膨らむ気持ち。それでもそれは決して叶うことなかったから自分の気持ちを消すのが大変だったのに。それなのに俺にもチャンスあるかもってなって。それなら後悔ないぐらいみぃちゃんに気持ち伝えようって。そして夢みたいに彼女が俺の気持ちを受け止めてくれた日。なんか今思っても全部幻かってぐらいありえない奇跡みたいなもんだよな。

「けどマジで良かったよ」

「ん?」

「紫耀の幸せそうな顔見れて。やっぱあん時はしんどかったからさ」

「・・・」

「こんな顔見れて、あのしんどかった日も今日のためにあったのなら無駄じゃないなって思えるじゃん」

「・・・ん」

「あの頃は我慢しかしてこなかったからさ、今度は我慢しなくていいから」

「、」

「俺とか岸くんには遠慮しないで紫耀の好きなように生きなよ??」

「いや好きなようにさせてもらってるけど」

「違う、プライベート。みぃちゃんとのこと」

「、」

「みぃちゃんとのことは、いい意味であの事務所ではできないように出来ることもあるからさ。だから紫耀の気持ち消すのはやめてね」

「・・・」

「はい、ありがとうは?」

「・・・ありがとう」

幸せだよ、俺は。こんなにも素晴らしい友達がいて、そして隣にこんなにも愛する恋人がいて。俺がきっと世界で1番幸せだと思う。だからその分頑張って返すよ。じんにもみぃちゃんにも。俺ができること全力でやってちゃんとお返ししていくから。夢の中にいる彼女の頭に俺も頭を傾けながら目を瞑る。さあ、ここから俺らの、俺の第二章が始まっていくから。友達にも恋人にも恥じない自分でいよう、そう本気で思えた。


俺のパワーの源、


(しょー、ついたよ)

(ん、ごめん寝てた)

(今マネがチェックインしに行った)

(うぃー、さんきゅー)

(みぃちゃん起きるかな?)

(どうだろ、みぃちゃーん、どーする?ホテル着いたよ〜)

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