プライベート7

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幸せとはこういうことをいうのだと俺は今実感してる。色々なものが2つずつ。いや前の家でも結構泊まりあったりしてたからペアな物はあったけどなんだか2人の家にこれがあると想うとたまらない気持ちになってくる。家は2人で色んな物件を見た。みぃちゃんは全然家はわからないと拘りは無いみたいで。俺にどんなのがいい?と聞いてくれたけど俺的には引っ越しが多かったからある程度図面見たら色々分かって。俺1人だったら内装とかで決めちゃうけど女の子と一緒だからとにかくセキュリティーがしっかりしていて治安が悪くなくて。地域的にも穏やかなところが第一条件。色々調べたり人生の先輩でもある友達のおじさん達に話を聞いて探した。彼女もメンバーに聞いて勉強した!といくつか物件をあげてくれたから(メンバーさんも意図は一緒みたいでどれも治安のいい所ばかりだった)それを2人で一緒に回って。なんだかそれだけでも楽しくて幸せだった。その中で2つ気に入った物があったからどうしようかと悩んでいたらみぃちゃんが「キッチンが広いのもいいなぁー」と言ってくれたのでキッチンが広い方にした。そこからお互いの家から何を運ぶか。何は新しくするか話して。大体俺の持ってるものを運ぼうってなったけど古いのは買い替えることにした。なんならおじさんが新居祝いだとか言って欲しい家電はくれるっていうし。横山くんたちも買ってくれるって言うから驚くほどにすぐに必要なものは揃った(俺ら甘えすぎじゃない?ってなったけどまあこのご好意は受け取ることにした)冷蔵庫とテレビは新しいもの、キッチン周りはみぃちゃんが揃えてたものを運んできて、ベットもこれを機に新しくしたし、ソファーは俺の家にあるものを持ってきた。こういう時に凄く今回感じたけど彼女のセンスがめちゃくちゃいいなと思う。みぃちゃんに聞いて答えてくる色とか物は見事に俺の好みドンピシャで。よく一緒に暮らすと男女の価値観とか言うけどマジで彼女の選ぶ物全て素敵な物ばかりで部屋は本当にいい部屋になったと思う。棚に入ってる2つの食器。テレビの横に置いてある2人の写真。どこを見ても笑みが溢れて抑えられない。

「しょーくーん、お風呂お先でーす」

「いいよ〜、てか一緒に入ればよかったのに」

「ふふ、じゃあ今度一緒に入ろうね」

「はい言ったね〜、じゃあ明日」

「ええ?笑」

「約束だからね、じゃあ俺も風呂入ってこよ」

いや可愛すぎだろ。可愛いのなんて分かってる。みぃちゃんとも一緒に時を重ねてきた。けれどもなかなかこの可愛さになれないというか。お風呂上がりの彼女は恥ずかしがるけどなんともいえない透明感に溢れてそれでいてちょっと幼く見えるすっぴん姿とか。濡れてる髪の毛とか。ホワホワしてて彼女から匂うシャンプー仕立てのいい匂い。あー、やばい。可愛い。思わずぎゅっとみぃちゃんを抱きしめればみぃちゃんも俺の首に腕を回してそれから少し背伸びして可愛い魔法を俺の唇に落としてくれた。

「、っ、」

「お風呂でね、ずーっと幸せすぎて1人で笑ってるの」

「、危ない人なってた?」

「うん、なってた!なんか、今まで泊まりあいっこしてるのにさぁー、なんか違うよね、なんだろ、ちょっとドキドキもするし、これから紫耀くんと、ずーっと一緒だと思うと、嬉しくて、幸せで、」

彼女の言葉がどんどん震えていって、途中で止まって、それから大きな瞳から大きな雫がぽとりと落ちると何度も何度もそれが流れて止まらなくなる。そんな彼女が愛おしくて胸が苦しくなって彼女の止まらない滴を手で拭って唇を重ねた。

「んっ、」

「俺も同じこと思ってたよ、幸せだなって」

「、うんっ、」

「でもさ、俺はもっともっとみぃちゃんのこと幸せにするつもりなんだけど。てか2人で今からどんどん幸せになるつもりだからさ」

「ふふ、そっか、」

「そう、覚悟しといて貰わないと困る」

「、幸せな覚悟すぎるよ」

彼女をぎゅーっと抱きしめた後俺もダッシュでシャワーを浴びに行く。2人で使うボディーソープにシャンプー(今日はみぃちゃんのシャンプー使ったろ)タオルもフワフワで新しくて綺麗。彼女のスキンケアが並べられていてこう見たらなんだか可愛いバスルームになってるな。二つ並んだ歯ブラシやコップにさえ全部が愛おしく思えるなんて。俺は本当に幸せ者だと思う。

「あ、紫耀くんあがった?」

「うん、あがったよー」

「髪の毛乾かしてあげるよ」

「え、マジ?」

「うん!お家のこと色々頑張ってくれたからお礼」

「え?みぃちゃんも一緒に全部やってくれたじゃん」

「微々たるものだけどね、でも私嬉しかったから。紫耀くん細かいところまで私のこと考えて思ってくれてこのお家選んでくれてたでしょ?」

「・・当たり前じゃん」

「当たり前にしたくないの、私は。そういう紫耀くんの優しさにちゃんと感謝してちゃんと返す彼女でいたい」

「、」

「だから小さいお礼だけど、よければどうぞ?私の王子様」

そう言って手招きするみぃちゃんにはきっと一生敵わないと思った。くるりとみぃちゃんの方を向いて座ってぎゅーっとお腹に抱きつくと彼女は優しく笑って乾かし始めてくれる。彼女はいつもオレが彼女を甘やかしてる、なんていうけどそれは全く逆。こうして彼女は俺にとことん甘い。甘くて優しすぎる。みぃちゃんはいつも俺を宝物にでも触れるかのように優しくさわる。その一つ一つに俺がこんなにも幸せを感じなることなんて知らないんだろうな。顔を上げて彼女を見ればそこには本当に優しい顔した可愛い笑顔があったから胸がドキドキと高鳴った。可愛いなぁ。下から見ても上から見てもどこから見ても可愛いってなに。

「紫耀くんの髪綺麗だよね、サラサラ」

「そ?みぃちゃんの方が絶対サラサラだけど」

「伸びたね〜、可愛い」

「・・これ可愛い??」

「また切るの?」

「んー、みぃちゃんどっちが好き?」

「えー、どっちも好き〜」

「なんだそれ笑」

綺麗に乾かしてもらって終わったからそのままぎゅーっとまた抱きついてやればみぃちゃんは俺の頭を撫でてくれる。

「しょーくんワンちゃんみたーい」

彼女は俺のことをどうやら可愛く見えすぎてるらしい。残念だね、みぃちゃん。俺ってそんな可愛くないし行儀良くもないんだよ。

「え、なに、その笑い方、きゃっ!!」

みぃちゃんを抱き上げてそのまま寝室に向かって彼女をベットの上に落とす。びっくりしてるみぃちゃんの首元に顔を埋めて舐めれば背中をペチっと叩かれた。

「もお!!!びっくりした!なに?」

「んー?だってワンちゃんみたいっていうから」

「ちょ、や、くすぐったい、」

「ワンちゃんかー、俺何犬だと思われてんだろ」

「も、しょ、く、」

「みぃちゃんが確かめてよ」

「、なにがっ?」

「犬か、犬のふりしたオオカミか」

「っ、」

ベットの上、重なる影。俺の下で甘い声で、蕩けそうな顔で鳴く彼女。この瞬間、こうやって2人だけの時間。ねぇみぃちゃん。これから俺ら2人でこうやっていろんな時間をここで過ごしていけるって思うと嬉しすぎてやばくない?

「どっちだった?」

「・・・」

「可愛いチワワとか?」

「・・・牙がついてるオオカミだった全然可愛くない」

「ははは!!!!やばい!!」

「やめてその魔女笑い」

「はー、おもしろ、噛み殺されなくてよかったね」

「怖いこと言わないでよ」

もおお、と少し怒ってシーツに目元まで隠れてしまったみぃちゃんに近づいてぐっとシーツごと抱きしめた。

「大好きだよ、みぃちゃん」

「、わたしも、大好きだよ」

「これからも宜しくね」

「、うん、こちらこそ」

ねぇ、みぃちゃん。俺めちゃくちゃ頑張れるよ。ここでみぃちゃんが俺を待っていてくれるんだから。みぃちゃんを幸せにするために外でいっぱい頑張れる。大切な人が2人の家で俺のことを待ってくれることがこんなに嬉しいなんて知らなかった。ばいばいってもう帰る日がないことがこんなにも幸せに思うなんて。

「ふふ、ちゅー」

「・・・むりむり、俺マジで慣れない絶対この幸せ」

隣にいる彼女の笑顔をずっと守れますように。俺の隣でスヤスヤと眠り始めたみぃちゃんをぎゅっと抱きしめながらいつの間にか眠れば、幸せなピンク色の夢を見れた。


2人のおうち、2人の幸せなおうち、


(・・・ん、おはよ、紫耀くん)

(・・・・・天使みっけ)

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