プライベート7

□僕の大切な人たち
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誕生日当日に仕事が入ると皆に祝ってもらえるから嬉しかったりもする。今日は朝からメンバーにもスタッフさんにも皆におめでとうと言ってもらえたりプレゼントを貰って最高の気分になれた。大きな歌番組もあったので色々な人に出会えたのもまたラッキー。そんなこと思いながら楽屋でいつもみたいに出番までメンバー皆で遊んだり喋って過ごして待つ。俺らの話は最近じゃ専ら紫耀の話で。紫耀は嫌がってるけど岸くん中心に俺らは色々と気になって仕方ないんだからしょうがない。

「で?で?どうなんすか平野さん」

「もお!だるいって岸くんマジでいいから」

「なんで?みんなも聞きたいじゃんかねぇ!!お前あんなに可愛い彼女いるなんて、全世界の男が今お前にどんな思いを抱いているか!!」

「しーっ、岸さん声でかいってマジであかんって」

「しかも全世界ってまだ知らないからね?みんな」

「岸くんで俺情報漏れそうなんで嫌なんだけど」

「ごめんごめん、でも知りたいじゃん」

紫耀とみぃちゃんがまさか恋人になるなんて皆思わなかっただろうけど俺は薄々ちょっと感じてた、なんて言えば紫耀に嘘つけって怒られるかな。元々紫耀はみぃちゃんのことすごく好きなんだろうなぁって勝手に思ってた。まあそれは俺ら皆そうというか世の男みんなだけどさ。それでも俺らからしたら大先輩なみぃちゃんは会う機会も関わることも滅多になくて。たまに歌番組で共演した時とかにチラリと見れて「可愛い、、!!」って皆でテンション上がってたぐらい。その時もよく紫耀は見てるなぁって思ってたし。それが廉が関ジャニ∞の大倉くんと仲良くなってみぃちゃんと遊ぶようになってよく話を聞くようになったりして。うわ、廉いいなー。俺らも誘ってよって皆で言ってた時。

(紫耀映画決まったの?)

(あー、そう)

(どんなやつ?)

(王道恋愛映画)

(へー!誰とやんの?)

(野原みぃちゃん)

(え!マジ??紫耀やったじゃん!!!!)

紫耀がみぃちゃんと映画で共演して。皆が羨ましいって言う中で紫耀は恥ずかしかったからかスカしてたけど(紫耀ってそういうところあるんだよね)多分すごい嬉しかったんだと思う。それにきっとみぃちゃんと凄く仲良くなったんだなっていうのは俺は昔からこの人と一緒にいるからなんとなく彼の雰囲気でもわかった。

(撮影どう?)

(順調だよ)

(忙しそうだけど大丈夫?)

(んー、忙しいけど結構楽しい)

(みぃちゃんとは?仲良くなれた?)

(・・みぃちゃんすげぇ優しい人なんだよね)

(・・・・へー、)

(ねぇにやけるのやめてもらっていい?)

多分そこから色んなことが2人の間であって。紫耀はきっとどんどんみぃちゃんの良さを知っていって。これは本気だぞと思ったのはみぃちゃんが楽屋にきてくれたときで。

(みぃちゃん、俺、みぃちゃんのこと大好き)

あの時の紫耀の目とか雰囲気とか全てで、あ、ガチなんだなってわかった。俺ら目を合わせて固まったぐらい。そこから紫耀は紫耀らしく凄い頑張ってみぃちゃんにアピールしてて。あんまり普段から恋愛のことは喋らない人だけど何回かみぃちゃんに連絡してるのも見たし。会いに行ってたし。遊んでるって話も聞いたし。俺らからしたら凄い分かりやすいけど彼女にはいつも可愛い後輩っていう印象だったみたいで。だからみぃちゃんにも早く紫耀の良さがわかってくれたらいいな、って密かにめちゃくちゃ応援してたけど2人がドラマで共演して。なんとなく2人の雰囲気が違うなって思ってきた時。

(・・俺さ、みぃちゃんと付き合うことになった)

(え、え、ガチ??)

(うん。でも俺が落ち着くまでは絶対誰にも言わないように約束してて。でもお互いのメンバーだけにはちゃんと報告しようってみぃちゃんが)

(・・みぃちゃんっていい子だよね)

(いい子すぎて困る)

(困る笑 えー、マジか、紫耀すげぇ、、)

(とりあえずさ、俺から言うの恥ずかしいから海斗から皆に言ってくれない?俺嫌なんだよ、こういうの)

(はは、だろうね。岸くんに質問攻めせれるよ)

(うわそれ絶対だるいんだけど)

幸せそうに笑う紫耀に本当に心から嬉しかった。これからきっとお互い大変な中でこの人を支えてくれる人が1人でも多く出来たことは本当にありがたいと思ったし。みぃちゃんならきっと紫耀のこと任せられるだろうなって素直に思えたんだよ。

「もう!マジで岸くんだるいって!」

「いーや!!お前には話す義務があるねぇー!!!」

「なんなの!そのテンション!ほんとに!!」

紫耀の叫び声に皆でケタケタ笑いながら岸くんの変なテンションにそろそろ紫耀もキレるぞと思ってた時に聞こえてきたノック音。それに紫耀がうわ、って眉を寄せて。ん?と振り返れば楽屋に入ってきたのは、

「こんにちは〜」

「「みぃちゃん!!!」」

話題の渦中にあるみぃちゃんだった。可愛い!!やっぱりみぃちゃんなんかめちゃくちゃ光ってる!眩しい!やばい!!と思っていたけどさっきまでうるさかった岸くんも本人を目の前にしたらこの可愛さに圧倒されるのか一気に黙っちゃってるし。(いや黙るんかいって廉と神がつっこんでる)

「ねぇマジで来たの?」

「え、来たよ?」

俺らが黙ってる間に紫耀はあっという間にみぃちゃんの隣に行ってて。けどなんか凄い顔して嫌がってる。

「てかれんれんさ!たーくんとまたお寿司行ったの!?なんで私誘わないの!!ブログで知ったんだけど!」

「いやだって隣の人が怒るやん」

「怒んないよね?」

「怒るよ!なんで休みの日にわざわざ廉と会うの」

「あ、怒ってた」

「せやろ?だからそうなると紫耀セットで行かなあかんやん」

「え、なんで俺ちょっと嫌がられてるの」

「あはは!じゃあ4人で行こうね」

「みぃちゃん紅茶飲みます??」

最近岸くんはみぃちゃん見たら紅茶飲むか聞くようになったから(それが話しかけるキッカケらしい)また今日も聞いてる、と思ったらみぃちゃんはすぐに戻るからとやんわり断ってた。あー、マジ可愛い。紫耀いいなー。こんな可愛い彼女がいて羨ましいなー。てか2人並んだらめちゃくちゃお似合いじゃん。いい感じすぎる。羨ましい。

「えっと、かいとくーん」

なんて思ってたらまさかの呼ばれた名前。ぼーっとみぃちゃん見てたからすぐに反応できなくて、ざっと全員の視線感じてやっと気づいた。え、おれ?俺呼ばれた?

「、あ、え、俺すか?」

「うん!かいとくんお誕生日おめでとう〜」

そう言って差し出された箱。え、え、うそ。

「ちょっと今はまだあれだけど、ぜひ私ともまた遊んでください」

「え、え、いいんすか、え、うわー、まじ、え、嬉しすぎて泣きそう」

「いえいえ、使ってくれたら嬉しいです」

「え、開けていいすか!?」

「うん、ぜひぜひ」

まさか今日みぃちゃんから、あのみぃちゃんから誕生日プレゼントを貰えるなんて思ってなくてびっくりした。嬉しすぎてちょっと手震えながら箱を開けるとそこにはブランド物のタオルが入ってる。紺色と白色。触れたらすげぇふわふわ。え、これいい奴だ。しかもイニシャルのkが入ってるし。おしゃれ。やば。

「今からドラマ撮影大変になるだろうし、タオルって何枚あっても困らないかなーっていう勝手な考えで選びました」

「え、まじ嬉しいです、絶対現場で使います」

「ほんと?よかった〜」

なるほど。紫耀が嫌な顔してるわけが分かった。これが嫌だったわけね。みぃちゃんの笑顔眩しいって思って隣を見たらすごい膨れっ面だし。やばい紫耀顔がやばい。

「ほんとに嬉しいんですけど紫耀の顔やばい」

「・・なにこれ俺すげぇ複雑なんだけど」

「なんで?ほら紫耀くんもちゃんと海ちゃんにおめでとうって言って」

「え、まって、海ちゃん、、やばい、、」

「えー!ずるー!みぃちゃん俺も親しい呼び名希望です!」

「んー、じんくん?」

「わ、まじキュンですありがとうございます」

「ちょ、俺もいいすか?」

「ゆーたくん?」

「え、ちょ、録音していいすか?」

「まってそれは俺もやばい。俺もゆーただから。ちょ、俺も録音したい」

「やめてやめてやめて、まじでみぃちゃんやめて喋らないで」

みぃちゃんをガバッと抱きしめた紫耀は俺らから隠すようにみぃちゃんを遠ざけて。それにケタケタ皆で笑ってたけど彼女もされるがままでニコニコしてて、あー、すげぇいいなって思った。

「もう怖い。みぃちゃんのコミュ力の固まり怖い。あのね、そんなすぐに誰とでも仲良くなっちゃダメ。わかる?」

「紫耀くんそれが私のいいところって言ってくれたのに」

「うん、凄い大好きな所だけどダメ。誰にでも愛想振り撒くのほんっっとに禁止」

「紫耀重い男は嫌われるで〜」

「うるせえ!マジでちょっと皆どっかいって!」

「あ、じんくん!私紫耀くんから聞いてなんかじんくんが選んでくれた服がかっこよくてまた私にも「しゃらあああああーーーーっぷ!!!!」

「「(笑)」」

紫耀がみぃちゃんの口を手で隠せば小さな顔はほとんど隠れて。「ちょっと!みぃちゃんが死ぬから」「やめて紫耀バケモノなんだから」なんてメンバーがつっこんで。みぃちゃんが笑って。紫耀が嬉しそうに笑って。あー、幸せだなって。幸せすぎて泣きそうになった。

「平野さーん、ちょっと〜」

「・・うわ」

「はい、紫耀。スタッフさん呼んでまーす、行ってらっしゃい」

「うわ、最悪。みぃちゃん絶対一言も喋らないで待ってて」

「いや無理だろ」

「はいはい、行ってらっしゃい笑」

渋々スタッフに呼ばれて向こうに行った紫耀。ほんとみぃちゃんのこと好きなんだろうなって思ってたけど、そんな紫耀を見てるみぃちゃんの顔も俺が見たことないぐらい優しくて可愛い顔してて。あー、いいなぁって。2人を見てるだけで幸せになった。

「みぃちゃんこれから紫耀のことよろしくお願いします」

「ふふ、はいっ、任されました」

「で、俺とも遊んでください笑」

「え!もちろん!わたしね、紫耀くんのこと大切だから紫耀くんが大切にしてるものも一緒に大切にしたいの」

紫耀から聞いた。みぃちゃんは本当に優しくて心が綺麗だって。いつも紫耀自身のことだけじゃなくて紫耀の家族も友達もキンプリもそしてティアラのことだって大切にしてくれるって。本当にいい子だって珍しくあの紫耀がポロリと俺に言葉をこぼしてくれた。でもそんなに自然と紫耀がみぃちゃんを褒めるのが分かるぐらいみぃちゃんのその言葉とか優しい笑顔になんだか無性に泣きそうになった。

「あー、だめだ、感動してやばい」

「え??なにが?あ、でね!かいとくんこのタオルがさ」

「ちょっとーー!!!!!距離!!みぃちゃん離れて!!かいとマジでしばき回すよ?」

「こわ」

紫耀はとにかくメンバー思いで男気が強くて芯がしっかりあって自分の正義を曲げない人。でも実は繊細で気にしいで考えすぎな所もある天然で可愛い人。だからどうか彼女がそんな紫耀の良いところも悪いところも全部受け止めて愛してあげてほしい。いやみぃちゃんだからきっともう全て受け止めて紫耀の全部を愛してあげてると思うけど。

「じんくん今度キンプリのご飯会にわたしもいれて?」

「え!まじすか!すぐ立ち上げますけど笑」

「ほんと?お店じゃなくて事務所の部屋一つ借りるとかでいいから笑」

「あんぱいっすね、全然ありっす」

「れんれんどう?」

「みぃちゃんおるならどこでも行く〜」

「わーい!楽しみ!2人で計画立てようか」

「じゃあちょっと連絡先おしえても「じんマジでどつくよ?」」

「あはは!!紫耀の愛が重すぎやべえ!!!」

「お前らうるさい!もう散って!みぃちゃん帰ろ!」

俺の1番大切な仲間。俺に色んないいことも悪いことも教えてくれたお兄ちゃん。だから誰よりも幸せになってほしい。紫耀には笑っててほしい。それがみぃちゃんとならきっと叶えられるんだろうな、ってそう思った。どうかどうか2人の道が幸せでありますように。2人が幸せそうに笑いあってる姿を見てそう思った。


僕の大切な人たち、


(みぃちゃんいい?帰るよ?帰るよ?)

(ん?まってまって、あと岸くんにね、私言いたいことがあって)

(え?てか、マジでみぃちゃん可愛い、)

(ちょ一回殴っていい?岸くん)

(いってえ!!!もう殴ってる!!)

(うるさいわ!もうはよみぃちゃん紫耀のこと連れて帰って!!)

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