いいわけ

□いいわけ ー其の十ー
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その日は ― 大久保さんと愛し合ったその当日 ―



大事な仕事があると言っていた。



皆、一同に薩摩の小松様の邸宅に集まられるのだとか。



大久保さんも早くから出掛けていった。




もちろん龍馬さんも慎ちゃんも、高杉さん達もそこに集まるとかで、私は最後の日になるかもしれないというのに、昼まで殆ど誰にも会うことはなかった。




それでも、私は明け方までの疲れがどっと出て仕方なしに昼までの時間をまどろみながら過ごした。




目も赤く腫れていたから、丁度いいと言えばいいのだけれど、流石に少し寂しい気もする。




昼前になって、お松さんが私を呼びに来た。




「麻百合ちゃん、後から、買い物、付き合って貰える?」




私があまりにもだらしない格好で横たわっていたのでお松さんは吃驚して、「それじゃぁまるで遊女だわよ」と言い放っていった。




ははは、と言いながら私はようやく身体を起こして伸びをした。




身体は全くと言っていいほどすっきりしなかった。




ただ、そんなに嫌な気分ではなかった。





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