いいわけ

□いいわけ ー其の弐ー
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細く泣く麻百合を龍馬はそっと後ろから抱きしめた。



一瞬、麻百合の身体が強張ったが、すぐに溶け、力が抜けていくのが龍馬にも伝わってきた。





「浴衣、早速着てくれたんじゃのぅ」




麻百合はまだ顔を覆っている。




「よう似合とるぜよ…」





「…どうしたがじゃ……おんしが泣いとるとワシは心配でどうにかなりそうじゃ…」




麻百合の肩に龍馬の柔らかい髪がふうわりと触れていた。




「私…よく分から…なくて」





「…ああ。」





ゆっくり頭を撫でてくれる龍馬さんの手が暖かくて…。弱い自分が後から後からとめどなく流れ出てきてしまうー



「大久保さんが何を考えてるのか、…分からない…です」




龍馬の手が、一瞬止まった。




『なんじゃ…大久保さんか…』





「何があったんじゃ…?」



動揺する自分を悟られないように、声を静めて問いかけたつもりだったが、それは多少ぎこちなく聞こえた。



麻百合はその問いには答えないまま、浴衣を汚した事を詫びた。

龍馬は思いを巡らせ、何があったか分からないが、麻百合の涙の原因は、大久保さんから出たものだと理解した。



それによって自分の中にはっきりと嫉妬めいた感情がうまれるのを感じていた…。




妹みたいに思っちょったはずたがのぅ…





音を漏らさぬように、大きく息を吐いた。




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