お題
□心はアゲナイ
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「夢・・・。」
口づけを感じた首元は濡れていて、それが自分の涙だと分かって
優姫はまた泣きそうに顔を歪めた。
夢の中、何度も繰り返し見る・・・学園での最後の時。
分かってる・・・心が誰を求めているのか。
けれど零が今私をどう思っているのか、それは・・・分からない。
だから確かめるように何度も思い出す・・・・。
あの最後の時、零が言った嬉しくて悲しい言葉。
「ずっとお前の血だけが欲しかった。」
ねえ、どうして過去の事なの・・・。
あたし、こんな身になり果てて受けた吸血で本当の気持ちに気が付いたのに。
いつも、私に相談しないで勝手に決めちゃって・・・零。
そう呟いてから優姫は力なく首を振った。
そうじゃない・・・別れた事は・・・。