+歌小説+

□うたかた花火
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「休もうか。」って少し疲れた私に笑顔で言った。

素直に私は『うん。』って答えたの。
そして道ばたに二人並んで座ったね。
そしたら遠くで聞こえたお囃子の音。
独特のリズム。




龍笛や篠笛の独特のメロディー。
リズム良く叩く締太鼓と大太鼓。それから小さく鳴る鉦鼓。
ひゅるりら、ひゅるりら。
夏の音が鳴り響く。
星がキラキラ輝く夜空に咲いた大きな大きな錦冠。

「もう、終わっちゃうな。・・・夏。」

そのキミの言葉を聞くとふと切なくなった。




大きな音を立てて花火が咲いた。
可愛いピンクのハート。
でもそれは逆さま。

「あれじゃぁ、桃だね。」

あはは、って二人で笑ってね。
そしたら目があった。
見つめてた。
あまりに綺麗な君の目に。

「好きだよ」ってキスをした。
甘くて少し苦かった。
どうしてだろう。甘いはずのキスが苦かった。

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