+歌小説+

□もう恋なんてしない
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君と過ごした僕の家。
君との思い出が詰まった僕の家。
君の居ない僕の家。


朝起きると君は居なかった。
君は一通の手紙を残して居なくなってしまった。

【ごめんなさい。もう、私は貴方と一緒にはいられない。さよなら。】

最後に書いてあった言葉。
僕の世界は闇へと変わっていった。
君が居ないと何もできない訳じゃない。
落ち着くために僕は紅茶を煎れる事にした。
やかんに水を入れて火にかけた。
肝心な紅茶の葉がない。
君が居たこの家は僕の知らない事だらけ。
紅茶の葉の在処さえわからない。
ほら、ちゃんと朝食だった作れる。
だけど、あまり美味しくはなかった。
君が作ってくれたのなら文句も言えたのに。
君が居ないから独り言になってしまう。

「まずいんだよ、バカ・・・」

自分に言ってみたけどただ、虚しくなるだけだった。
虚しくて泣けてくる。
情けないな。
好きな女に大好きな女にふられただけなのに。
バカだな、僕って。
こんなにも簡単に終わってしまうのなら
もっと優しくすれば良かったじゃないか。
今、気付いてももう遅いのに。


一緒にいた時は窮屈に思えた。
君の想いが大きすぎて僕には重かった。
やっと僕は自由を手に入れた。
でも、僕はとても淋しくなった。
君を失って気付いたんだ。
君がどれだけ僕の中にいたのかを。
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