+歌小説+

□告白
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『お前に伝えたいことがあるんだ。』
そう言って君を呼び出したのはいいけれど・・・
僕の中にあるこの想いを
上手く言えるかわかんないけど、
上手く伝えられるかわかんないけど、
聞いて欲しいんだ――。



いつの間にか、夜も眠れないくらいの想いがあって。
それでけキミが好きで。
もし眠れたとしても、夢の中で探すくらい大好きだったんだ。
キミに僕の想いを伝えたら、今までの関係が壊れてしまいそうで言えないんだ。
でも、友達のままはただ、辛くなる。
だから全てを伝えたくて。



いざ、君の前に立って言葉を口にしようとした時、
さっきまでちゃんとあった、僕の勇気が
臆病風に吹かれちゃって、飛んでった。
昨日まで、散々、予習した完璧なフレーズが胸から溢れ出して忘れてしまった。
何も残されていない自分が恥ずかしくて、
君を呼んだのに今更になって怖くなった自分が許せなくて。



恥ずかしくて熱くなる。
大好きな人が目の前にいて鼓動が痛い。
いつもの僕じゃない。
本当に僕らしくなかった。
でもせっかく、ここまで来たんだ。
また振り出しに戻すのはもったいない。
だから、もう、格好悪くてもいい。
もう、どうなったっていい。
キミに聞いて欲しいんだ。



『大好きだ。大好きなんだ。』

これ以上の格好いい言葉をもっと上手に伝えたかった。
どうしようもないこの想いを伝えようとすると、
気持ちが溢れ出しちゃって【大好き】しか出てこなかった。



ただ【大好き】だけでごめん。
たくさんの男から言われた何の変哲もないありきたりな言葉。
でも、それが僕の気持ちの全てなんだ。

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