駄文

□感じること
2ページ/4ページ

 あたしはこの話をアニメで見ました。
 最初、どくさいスイッチを手に入れたとき、「こんな道具あっていいの?」と冷静に思ったのですが、ジャイアンが消えてからは、話にのみ込まれました。そして、誰もいなくなった世界で泣いていると、ドラえもんが現れて世界を元通りにするところでは、のび太に負けず劣らず泣きました;;

 けれど、私は、自分が泣いた理由は特殊だろうと思いました。考えは自分の中でまとまっていたけれど、他の人はこんな理由はわかってくれないだろうと思って、人に話したことは無いのですが(一度だけ話したことあったけど;)……私が感じたこと、涙が止まらなかった理由をここに書いておきたいと思います。

 物語が進むにつれ、私はのび太に感情移入し、自分と重ねていました。のび太は何をやってもうまくいかない無能な子で、いろんな人に馬鹿にされていました。だから、のび太は全てを拒絶しました。それは何だか本当の自分のようで、完全に同化して見ていました。
 しかし物語のクライマックス、ドラえもんが、のび太を救いました。全てを拒絶したのび太を救いました。のび太はひとりではなかったのです。ひとりだと思っていた世界は、虚構だったのです。
 ……嘘。嘘だよ。
 そんなの嘘だよ。だって、あたし、ひとりだよ。助けを求めたって、誰も現れはしない。ドラえもんなんかいない。
 のび太にはいるのに。馬鹿で運動能力ゼロでかっこよくもない、何のとりえもないのび太にさえいるのに。
 あたしにはいない。どうして? あたしに何が足りないっていうのよ。あたしはのび太より駄目なのね、何やっても最下位ののび太よりも、あたしなんかは下の人間なんだ。だからなんだ、のび太にはドラえもんという救いがあるのに、あたしには誰もいない。

 救いなんて、ない。

 あたしはきっと、救いが無いことが普通だと思ってた。そうやって、自分を慰めてた。ひとりが辛いこと、ごまかしてた。嫌だと思って拒絶したら、そこで終わりだ。それが、あたしが求めた世界なんだから、元になんか戻せないよ。ひとりになったら、ずっとひとりなんだ。それがあたしの定義だった。
 だから、救いなんか想像できなかった。いつかはこの寂しさを乗り越えられるとは思っていたけど、救いがあるなんて思えなかった。あたしに救いはこないと信じてた。
 けれど、のび太には救いが来たから……すごく辛かった。のび太に救いがあって、どうして自分には無いんだと思った。きっと自分自身、のび太のことを下に見てたんだ。だから、彼だけドラえもんがいたことに、涙が止まらなかったんだ。

 その後元に戻った世界、のび太の笑顔を見ても、いまいち実感がなかった。それがまるで夢のように、ぼんやりとしていた。いや、むしろ夢と思ったほどだ。本当はドラえもんなんか現れてないし、のび太が泣き疲れて寝て見た夢なんだ。そう思った方が、現実であるように感じられた。……ただ、そう思うと気持ち悪くなるけれど。

 この作品を見て孤独感を感じる人が他にいるかわからなかったから、あたしは人に話したことはなかった。一度だけ話したことがあったけど、「へえ。そんな考えもあるんだ」程度で、意見を聞けなかったから……それはそれでなんか嫌だけど;
 でも、さっきグーグル検索したけど、同じような意見持ってる人は見なかった。やっぱりあたしだけなんかな? あたしが発見しなかっただけ? もしくは書いてないだけかな……??
 というか、今思ったけれど、あたしはきっと救いを受け入れることはできないんじゃないかと思う。あるのなら受け入れたいけど……。

 この文章を読んでくださった方、何か意見をくだされば幸いです(>_<)
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ