心の中で起こること

□超大雑把心理学。
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 最近、サイトを巡っていると、「イソップ物語の『すっぱい葡萄』の話が、防衛機制における『補償(代償)』を表している」というような記述がありました。私はこれに首を傾げました。「『補償』じゃなかったような?」と。調べてみると、確かにそれは『補償』ではなく『合理化』でした。
 私は納得しましたが、自分が防衛機制について忘れていたことに愕然としました。なので、これはメモして残しておかなければ、また忘れてしまうのではないかと思い、突然このような記述をすることにしたのです。そして、防衛機制は、私の中で当たり前の知識だと思っていました(高一のとき必修の倫理でやったので)が、当たり前と思っていたのは自分だけで、本当は違うかもと思い、HPに掲載するという形にしました。考えてみたら自分の高校は進学校でしたし、そこで習った知識が、一概に常識とはいえないのかもしれないと思ったのです。

 前置きが長くなってしまい申し訳ありません。これからフロイトが提唱した「防衛機制」について述べたいと思うのですが、その前に、「欲求不満」と「葛藤」について簡単に述べておきたいと思います。
 まず「欲求不満」ですが、これは字の如く、『欲求が満たされないで不満に思う』気持ちです。フラストレーションとも言います。そして、「葛藤」は、『行動しなければならないが、いくつかの理由がかさなり、前にも後ろにも進めなくなった状況』です。そして強い欲求不満の状況でもあります。例をいくつか挙げたいと思います。
@和食が食べたい、でも中華も食べたい。(+,+)
Aデザートが食べたい、でも食べたら太る。(+,-)
B勉強をしたくない、でも親に怒られたくもない。(-,-)
CA大学とB大学、どっちに行こうか迷う。(+-,+-)
 というような、4つの類型に別れます。まず、@ですが、どっちも「したいこと(+)」です。でもどっちか片方を選ぶしかない。どっちも+のことなので、贅沢な悩みと思われるかもしれませんが、心には大変ストレスとなって圧し掛かります。Aは「これをしたい、でもこれはしたくない」という選択。Bは「これはしたくないけど、あれもしたくない」という選択。Cは、「Aにはこんないい所があって、こんな悪い所もある(就職に困らなさそうだが、授業に興味が持てない)。Bもこんな所があって、こんな悪い所がある(授業は良さそうだが、若干お金がかかる)」という+と-が合わさって総合的に判断して、選びかねるという状況です。どれも「選択しなければならないが、選択できず立ち往生している」状況です。これは強いストレスを生むものなのです。昔何かの国語の文章で読みましたが、「1頭の馬が、同じ距離離れ、同じ量ある2つの干草の山を、どちらか選びかねて餓死する」という文章がありました。それが真実だったか比喩だったかは忘れたのですが(すみません)、それほどに心には多大な重圧となるということです。
 このような葛藤の状態は、強い欲求不満となりストレスとなります。そして、たいていこの状況に陥ると、問題をなおざりにしてしまいます。強い欲求不満が、精神を狂わせ正常な判断をしなくなるわけです。

そして、本題「防衛機制」に入ります。
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