心の中で起こること

□愛着障害の例:摂食障害
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 愛着障害が引き起こす例、摂食障害(拒食、過食)について述べたいと思います。

 「愛着障害と拒食・過食がどう関係するの?」と思われるかもしれませんが、実はとても関わりのあることです。心の問題や周囲の環境の問題は、食べることに顕著に表れるのです。

 まず、どのような人が拒食になりやすいのでしょうか?
 多いのは、「良い子」です。親にとって理想の子、親の都合の良い子。箱入りなどもそうですね。

 過剰な期待をかけられると、周りから望まれる自分と、自分がなりたい自分の狭間で苦しむのです。

 相手の顔色をいつもうかがい、相手に合わせ、自分を殺すのです。無視されること、相手にされないこと(必要とされないこと)に強い恐怖を持ちます。周囲の期待に応えるために、頑張りすぎるのです。
 しかし、それはとても苦しいこと。頑張ってもどうにもならないことなんてたくさんあります。けれど、周囲の期待はなくならない。そして、自分に過剰な期待を寄せる者(両親とか)に対する拒絶感から、全てへの拒絶感、食に対する拒絶感につながるのです。
(また、メディアではやせ型の人を美しいとする傾向があります。周囲の期待を受け、そういった美しいとされるものへ自分を近づけようとする、という場合も考えられます。この場合はたいてい、自分を過小評価していることが多いです)

 摂食障害に陥った人は、アイデンティティ(自己同一性。自分は自分であって、他人とは違う、という考え)について深く考えます。
「自分の存在は何?」
「生きるって何?」

 長く自分を殺してきたため、わからなくなっているのです。
(まあ、この答えが明確に出せる人は少ないでしょうが)
 その答えを探し求め、食べることの意味を失っているのです。
 そして、本当の声。……聞いたことがありますか?
 彼女たちが普段使っている声と、自分の本音を言う時の言葉は、全く違うものです。押さえつけられたような、しぼり出された声なのです。自分の意思を押さえつけているためです。
 
 拒食は、忍耐強い人にその傾向があります。食べ物に障害が出ない場合は、不安や心身症といった症状が出たりします。
(食欲に負けちゃう人には出ません……私なんか絶対(^△^;)

 一方で、過食という症状もあります。
 過食の人は、全ての食べ物について過剰摂取する、という場合が全てではありません。何か一つのものに対しては、絶対食べられない、という部分的拒食≠ェある場合が多いのです。
(他に、吐く≠ニいう行為のもとに食べる場合、体が食べ物を受け付けない拒食≠フ可能性もあります)
 また、物を食べるとは、物を食らう≠ニいうこと。
 強い攻撃性の表れです。

(続きは次の項で)
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