□家族
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―…俺達の家には、5人の不思議な兄妹がいる。


今は、俺達の―――…















「マスター遅いね」

時計を見てため息をついたのはミクで、

「買い物でもしてるのかな?」

次に口を開いたのはリンだ。

「こら!僕のアイス食べるなっ!」
「いーじゃん!けちっ!」
「ケチでいい!」
「うるさーーっい!(怒)」

マスターの帰りを大人しく待つミクとリンとは逆に、何やらキッチンで喧嘩しているのはカイトとレン、そんな二人にキレているのはメイコだ。

「レン!人のモノ取んな!アンタもアイスごときでごちゃごちゃうるさい!」
「アイスを馬鹿にするなーっ!」
「また買ってもらえばいいじゃんか」
「だから食べるなって!」
「いい加減にしないと尻叩くよっ!(怒)」

5兄妹の中で、1番強いのは断トツでメイコ。喧嘩のたえないカイトとレンをいつも力技で黙らせてきた。それは今日も同じで…

「痛い…」
「そんなキツク叩く事ないだろ〜…」

隙を見せた二人の尻を、慣れた手つきで平手打ち。

「カイトも兄ちゃんなんだからさぁ」

メイコは、はぁ、と深いため息をつき、腰に手をあてた。

「たっだいまーっ!」

突然家中に響いたのは、帰宅を待ち侘びたマスターの声。

「「帰ってきたっVv」」

ミクとリンは嬉しそうに立ち上がると、玄関に向かって走り出す。

「マスター、お帰りなさいっ」
「遅かったねっ」
「いやー、ごめんごめん。仕事なかなか終わらなくて;…あれ、ナツはまだ帰ってないのか?」
「うん、まだ。部活だと思う」
「マスターお腹空いた」
「じゃあ晩飯にするかー」
「「うん!」」

トモは、かわいらしく出迎えてくれたミクとリンに笑顔を向けると靴を脱ぎ、家の中へあがる。
リビングに入ると、正座させられているカイトとレンが目に入った。

「カイト、レン…また喧嘩したのか?;」
「あ、マスターお帰り」
「お帰り。…アイスで喧嘩したから尻叩いといた」

メイコはやれやれとポーズをとり、ソファーに腰掛ける。そんな彼女に苦笑いし、トモはキッチンに向かった。

「今日はカレーにするか」
「私のお皿には葱つけてね」
「はいはい(笑)」
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