世界
□惚れた弱味と云うヤツで
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付き合ってからしか分からない事はあると云うが。
マジだったんだと共感したのはつい最近の事だ。
+++惚れた弱味と云うヤツで+++
「阿っ近さぁーん♪爪切り持ってない???」
昼休みに俺の可愛い修兵が来た。
つーかコイツは…。
俺のトコロならなんでもあると思ってんのか…?ι
まぁ大概の物は置いてあるけどな。
「ぁー…其所の机の上に…‥ってちょっと待て。」
「なになに〜???」
にこにこして寄ってくる修兵。
あー…可愛い…。
「手ぇ出せ。爪切ってやるから」
「はぁい♪」
コレは過保護でもある…が、実はコイツは超がつく不器用。
爪一つ切るだけで指がズタズタの血だらけになる。
そんなんだから料理なんて論外なワケで…
グロテスクなことこの上ない芸術品が出来上がる。
「ほら。切れたぞ」
「ん。ありがとっ阿近さんvV」
あ。
今の顔スゲー可愛かった。
最も、修兵はいつも可愛いが。
「じゃあ俺仕事に戻るねー♪有難う阿近さんvV」
「おぅ。また夜にな」
昔の俺なら・
仕事中研究室に人なんか通してやったりしなかった。
それが隊長格だろうとな。
だいたい餓鬼の世話なんざ一生することはねぇと思ってたぐらいだ。
そんな考え方が覆せるのは・
多分お前だけだ。
どうしようもない位、お前に惚れたのは…俺の方。
これからも、我が侭な姫様に翻弄されることだろう。
だけどまぁ…
相手がお前なら、
そんな人生も悪くない。
fin