どりーみん

□当然、見つけだすよ
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「シンデレラはガラスの靴をわざと置いていったと思わない?」



ソファーに座ってクッションを抱き締めながら、彼女は言った。



「きっと、王子さまにまた会いたかったのね」



それは、一種の賭け。ガラスの靴片方だけを頼りに、果たして彼は本当に自分を見つけだしてくれるのか……



「それでシンデレラは賭けに勝った」


「めでたしめでたし」



適当に相づちを入れるとでも、と彼女はこっちを向いた。



「私がシンデレラでも、靴を落としていくと思うの。私の場合、賭けじゃなくて確実に見つけてくれるっていう確信があるからだけど」


「どうしてだい?」



聞いてみるとニヤッと笑った。



「王子さまが、素敵で無敵な情報屋さんだからよ」



まあ情報屋さんだったら靴がなくても見つけだしてくれそうだけど。
そう言った彼女を可愛いと思った。



「そうよね、王子さま?」



その言葉に、今度は俺がニヤッと笑った。



「もちろん」





当然、見つけだすよ
(どんなお伽の王子様よりも早く)
(君に会いに行くよ)




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