遊戯王5D's 〜滅光再来〜

□第3話「与えられる試練。魔導戦士ラナス」
1ページ/16ページ


アキ:
遊城後代さん達に協力することになった遊星達。

私も遊星と一緒に行きたい。そのことを伝えるために私の家族のもとに向かう。

でも、その途中で現れたカードエクスクルーダーから渡された手紙は、私を“黒薔薇の魔女”と知る人からだった。


私は・・・どうすればいいのっ




遊☆戯☆王5D’s外伝〜滅光再来〜


OP:LAST TRAIN-新しい朝-〔knotlamp〕




宇宙の闇を蝕む“破滅の光”と戦う遊城後代・未香兄妹と協力することに成ったシグナーの5人。

が、シグナーの1人アキの両親に許可を貰う必要がある為、十六夜邸に向かった。




十六夜邸

小テーブルを挟んで向かい合う様に遊星達とアキの両親がソファーに腰掛けてる。
アキの隣に遊星、反対に龍亜と龍可、ジャックは後ろに立って腕組みしている。

遊星が代表して可能な限り分かるように説明する。
アキの両親は正しく一般人、精霊やシグナーはある種別次元の話だ。

その上、宇宙の闇だの破滅の光だの理解すること事態難儀なこと。

それでも、出来るだけ分かってもらえる様に話をした。



10分少々、長めの説明が終わり沈黙が包む。


「・・・そんな、危険な事に、アキを連れて行くつもりなのっ」

破ったのは、アキの母節子(せつこ)の震えるような声。

「アキ、行ってはダメよ!あなた達も、まだ子供でしょ!!」

身を乗り出して訴える節子の視線は、龍亜と龍可に移る。
自分の娘よりも小さい子供が関わるなど考えられないのだ。


アキが意見を言いたげにしていると、遊星が口を開く。


「正直、俺個人の意見は・・・アキや龍亜と龍可を連れて行きたくありません」

3人が同時に遊星に目を向ける。

「危険だから、ダークシグナーとの戦いで十分危険な思いをしたから、連れて行きたくありません」
「だったらっ」
「ただ、アキ達の気持ちを無視したくないんです。その為に、ここに来ました」

誰にでも自分の考えを述べる権利はある。
過酷な環境のサテライトで育ち、協力し合いながら生きてきた遊星だからこそ、その考えが強く働くのだろう。

遊星の自身の気持ちが届き、龍亜と龍可が自分の考えを言葉にする。

「俺達の父さんと母さん、海外で仕事してるし、シグナーだからどこに居ても連中に狙われそうだし」
「だったら、2人だけよりみんなと一緒の方が安心なんです」

続けてジャック、

「子供の1人や2人守れんようでは、キングの座を奪い返すことなど出来んからな」

遊星の後ろでふてぶてしく言う。


そして、

「ママ」

アキが静かに切り出す。

「私も怖いわ、何が起こるか分からないから。でも、自分だけ何もしないで皆が苦しむのはもっと怖くて、嫌」
「アキっ」
「だから遊星と一緒に行きたいの」

最後に、ごめんね、と謝るアキに、節子は何も言えなくなる。


「アキ、自分で決めたんだな?」

ずっと黙っていた父英雄(ひでお)がアキに問う。

「・・・うん、私自身で決めたわ」

父の目を真っ直ぐ見てアキは答えた。

「そうか。なら、私は何も言わんよ」
「あなたっ!」

反論しようとする節子を制止する英雄。

「アキはもう1人で何も出来ない子供じゃないんだ。自分のするべき事は自分で決めれるようになった」

デュエルアカデミア、アルカディアムーブメント、アキの力を恐れ自分達が手放していた数年間、結果はどうあれ間違いなくアキを成長させていた。

そして、遊星達との出会いでアキはより飛躍的に成長を果たしていた。


「だがな、アキ。お前はいくつになっても私達の子供だ。全部終わったら帰ってきなさい」
「パパ、ありがとう」
「遊星君、アキをよろしく頼む」

深々と頭を下げる英雄。

「はい。アキは俺が守ります」




第3話「与えられる試練。魔導戦士ラナス」




簡単に荷物をまとめたアキ。
外には遊星達が待っており、玄関先まで両親が見送りに来ていた。

「ママ、ごめんなさい」
「もう良いのよ。気をつけてね」
「うんっ」

鞄を置き、アキは節子と抱擁を交わす。

「アキ、行ってきなさい」
「はい、パパ」

英雄とも抱き合い、名残を惜しみつつ鞄を持って遊星達のもとへ向かう。


その時、

「遊星君!」

英雄が最後に遊星を呼んだ。


「アキと一緒に帰ってきなさい!」


突然呼ばれ、アキと互いに顔を合わせて動揺した遊星だが、一礼して答えたのだった。



「あなた、何故彼にあんなことを?」

遊星達の姿がドンドン小さくなっていく様を見つめながら夫に問う。

「アキから聞いた話だが、彼の両親は17年前のモーメントの事故で亡くなられたらしい」

サテライトに存在する旧モーメント、現在のモーメントエネルギーの原点であり、ダークシグナーとの戦いの舞台。
その旧モーメントの開発者であった遊星の父は、モーメントの逆回転現象“ゼロリバース”によるエネルギー暴走で亡くなった。
母親も同じく無くなり、遊星だけが生き残り、今までずっとサテライトで生きてきた。

育ててくれたマーサも、ダークシグナーの地縛神の生贄とされてもういない。

「なら、せめて帰り場所に成れればと思ってね」

それは親心でもあり、


『君なら、アキを任せられる』

遊星を認めている証拠だった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ