オリジナル『仮面ライダーダルク』

□第10話「親子」
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前回の仮面ライダーダルク


バレリアの口から、輝がファントムのハーフであると告げられる。

だが、多くの者から蔑まされようとも、輝は守る意志を覆す事はない。

その覚悟と想いに仲間達が応え、輝は学園に受け入れられた。

そして、ずっと好意を持っていた美月と結ばれたのだった。




終業式の日、バレリアは去る前に美月に伝えていた。

「後日、輝にアメリカの私の自宅に来るように伝えてくれ。何ならお前も来ていいぞ」



で、

2045年7月24日、

輝と美月はアメリカ行きの旅客機に乗っていた。
ロサンゼルス行きの便で向かい、更に現地でバレリアの自宅があるルイジアナ州行きの便に乗り換える手順となっている。
滞在期間はそれ程多くはない、観光ではないので仕方がない。

とは言え、美月にとっては初めての海外、意気揚々となる、

事は無かった。

「ねぇ、大丈夫なの?」

窓側の美月が、隣の輝に声をかける。

輝は、ガタガタ震えていた。

「だ、大丈夫・・・大丈夫」

顔色も悪い、原因は1つ。
輝が筋金入りのカナヅチだからだ。

飛行機が飛ぶのは、当然太平洋上空、即ち海の上。

泳げない人間にとっては、想像しただけで気持ちが沈んでしまうのだろう。


「なあ、気分紛らわせるものとかない?」

助けを求める輝、何か別の事に集中していなくては身が持たない。

小物バックから思い当たるものを取り出してみた。

「じゃ〜ん!あたし秘蔵のヒーロー全集!これがあればっ」
「寝る」
「ちょっと!!」

当てが外れた輝、仕方がないとアイマスクをつけてリクライニングを少し倒した。
その態度に、頬を膨らませて不満を露にする美月。


「信じらんない、こんな可愛い“恋人”をほったらかしにするなんて」

2人の関係は、あの日から変わった。
クラスメイトから、大切な友達、仲間を経て、愛し合う恋人になった。

なのに、この様な素っ気無い態度を取られては、女として腹立たしいものがあった。

しかし、輝とて無自覚ではない。

「だったら、その可愛い恋人の手を掴ませてくれよ。その方が落ち着くから」

手を伸ばし、美月のそれを握って一緒の肘置きに乗せる。

「えっ、あ・・・うん////」

先程までの不満顔が180度変化、頬を赤く染めて恥ずかしそうに下を向いた。

手に伝わる輝の温もりで、返って自分が落ち着いて安心する美月だった。



ともあれ、目的はただ1つ。


輝の実母のファントムに会うこと。



―未来、特殊な力“マナ”が存在する世界―


―少年達は、己の力と“精霊”を信じ戦う―


―自分達の明日を作るために―



<仮面ライダーダルク>


OP:FUTURE STAR
〔茅原実里〕


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