オリジナル『仮面ライダーダルク』

□第8話「忠誠」
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前回の仮面ライダーダルク


学園に、テネレシア公国の姫エインテイルが留学する。

彼女とその護衛騎士達は、以前にも輝と縁があった。

その中の1人、仮面ライダーでもあるハイドは自分以外に牙を向く。

そして、ファントムとの戦闘の中、輝とハイドは対立した。




ルークロードクラスのライオンファントムを取り逃がした後、

「テメェ、それでも騎士か!!」

輝は感情を露にし、ハイドの顔面を殴った。
お互いに、仮面ライダーダルク、アリューゼに変身した状態。

殴られ倒れるハイド、仮面越しだがその衝撃は骨が軋む程に。

「っ・・・何をする!」
「うるせぇ!!自分がした事棚に上げやがって!!」

輝がここまで激しく激怒する事はない。
だが、それは仕方が無かった。

先程、ハイドはファントムを倒す事しか眼中に無く、美月と晶子に流れ弾が当たる所だった。
輝が庇い難を逃れたものの、最悪の事態は容易に想像できる。

しかし、

「知ったことか。俺は主を守る、それだけだ」
「・・・本当にそれだけか、他の人はどうなってもっ」
「くどい!!貴様も邪魔だ!!」

ハイドは騎士として、エインテイルを守る事を最優先し、その意思を曲げる事は無い。
銃剣型ライフルの銃口を輝に向ける。
それと同時に、輝もデンライの刀身をハイドの首に宛がった。


「やめなさい、2人共!!」

仲裁に入ったのは、仮面ライダーサイファンこと羽名。
2人の間に入り、腕を掴んで得物の向きを変える。

「ここで争っても何の解決にもならないわ!兎に角、2人共落ち着きなさい!!」

掴む手にマナが溜まっていくのが分かる、羽名を本気で怒らせれば丸焼きは必至。

最初に退いたのは輝の方、力を抜いたのを確認した羽名は手を離した。
ハイドも渋々承知する。

2人が変身を解いたのを確認して、羽名も変身を解いた。


すると、何も言わずに、ハイドは向きを変えて歩き出す。


「エインテイル様、行きましょう」

主であるエインテイルに継げて、自分のソウルチェイサー・アリューゼに跨る。

直ぐに続いたのは、ハイドの上司で親衛隊隊長のジュリ。
彼女は盛大な溜息を付いて、ハイドの後ろに乗った。

最後に、エインテイルは、神妙な面持ちで輝達にお辞儀をして、サイドカーに乗り込む。

直ぐにハイドは走らせ、学園に向かって行った。


彼らが走り去った後、美月と晶子は輝と羽名に駆け寄る。

「輝、大丈夫?!」
「ああ。無事で良かっ・・・っ!!」

突然蹲る輝、右肩を抑えて苦痛に顔をゆがめる。

「大丈夫じゃないでしょう!さっきの戦いで、右肩外れたんでしょ?」

美月と晶子は今初めて輝の状態を知る。

「そんな状態でなんで庇ったのよ?!」
「当たりめぇだ!!・・・死んでたんだぞ」

だけど!、と反論しようとする美月の肩に手を乗せる晶子。

「ここは、素直に感謝しましょ。実際、輝が守ってくれなかったら、わたくし達五体満足じゃいられなかったのよ」
「それに謝罪するのは寧ろ私の方よ。油断して落とされて、助けに回れなかった」

ごめんなさい、と頭を下げて謝る羽名を見て、美月は何も言い返せなくなり、

「・・・ありがとう」

俯いたまま輝に感謝を述べた。


「へへ、どうも。さて、俺らも戻ろうぜ、学園に」

とっくに昼休みは過ぎているが、生徒会として事情は察してくれる筈だ。


尤も、戻れば戻ったで別の問題が待っているのだが。



―未来、特殊な力“マナ”が存在する世界―


―少年達は、己の力と“精霊”を信じ戦う―


―自分達の明日を作るために―



<仮面ライダーダルク>


OP:FUTURE STAR
〔茅原実里〕



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