オリジナル『仮面ライダーダルク』

□第7話「銀狼」
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前回の仮面ライダーダルク


学園生徒会達の前に、輝の師が現れた。

その名はバレリア=デイルーン、REAL仮面ライダー最強の1人。

彼女は輝を息子のように育てた。

そして、嘗て仕えていた紅渡と再会したのだった。



7月2日

暑い、とにかく暑い、猛暑まで後一歩の気温だ。
2045年になっても、気候と言う自然に人間は叶わないのだろう。


そして、この男も。


「あちぃ〜、あちぃ〜」

聖ミロンド学園、1年1組の教室。
天蒼輝の席は、外側で窓際、日差しは途轍もなく良好だ。

「あちぃ〜」
「うるさいわね!!黙ってなさいよ!」

隣の席の上城美月は、先程から何度も暑い暑いを連呼されてイライラしていた。
教室のエアコンはまだまだ室内を快適にはしてくれない。


「み、美月、ちゃん」
「ん?千代・・・って?!」

反対隣の席の前澤千代に呼ばれて振り向くと、

彼女は机に頭を乗せて震えていた。

「ええ?ち、千代も暑いの苦手なの?!」
「ち、違うの、クーラーが、直接、だから」

上を見ると、エアコンの吹き出し口が丁度千代の真上だった。
クーラーの冷気が苦手な人はいるが、まさか千代だったとは。

何故自分の左右はこれほど繊細なのだろうか、と美月は溜息を吐いた。

と、担任のマリア=ケントが入室し、生徒達が着席する。


「皆さん。突然ですが、今日はこのクラスに留学生が来ます」

留学生と聞いてざわつく生徒達、一学期が終わりかけたこの時期に。

「・・・またあんたみたいな奴じゃないでしょうね?」
「俺が知るか」

妙な時期の編入生の代表とも言える輝はそっぽを向く。


「皆、仲良くしてあげてね。どうぞ、入ってきてください」

マリアの合図で教室の戸が開き、その留学生が入ってきた。


「始めまして皆様」

その生徒は女子、ブロンドヘアーで肩までありフワッとしている。
皆と同じ夏服姿で礼儀正しく一礼する。

「わたくし、テネレシア公国より参りました。エインテイル=ケファレンスと申します」

とても柔らかい笑顔を見せる彼女に、クラスは釘付けになる。


1人、輝を除いて。

「へぇ〜お嬢様っぽいけどまとも・・・って、輝?」

隣を向くと、輝は若干震えて窓の外を見ていた。


その時だった、

「まぁ!アキラ様!」

エインテイルが輝を見つけ、その上“様”を付けた。

思わず振り向いた時は、もう彼女は目の前まで来て、手をつかまれていた。

「お久しぶりですわ♪」
「よ、ようっ、エン。相変わらずだな」

輝は顔を引きつらせつつも、彼女を愛称で呼んだ。


『な、何なのこの子?!!』

驚きつつ、胸の奥に僅かながら痛みを覚えた美月。


が、そんなものは背後の殺気で消え去った。

素人でも分かる程に露骨に殺気を放つのは、


「貴様っ」

金の短髪で青い瞳をしたスーツ姿の長身の男性だった。
男は一歩更に進んで、

「エインテイル様から離れろ」

輝の後頭部に、躊躇いなく拳銃を向けた。
先端には、刃が付いている。

「きゃあぁぁ〜!!」

周りから悲鳴が上がるが、男は全く気にしていない。

「・・・俺じゃなくてエンが握ってるんだけど」
「黙れ。気安くエインテイル様を呼ぶな」

トリガーに指を掛ける男、動じない輝。

「テメェも相変わらずだな、ハイド」
「貴様もだ、アキラ=テンソウ」


この学園にまたしても、とんでもない者達がやってきたのだった。



―未来、特殊な力“マナ”が存在する世界―


―少年達は、己の力と“精霊”を信じ戦う―


―自分達の明日を作るために―



<仮面ライダーダルク>


OP:FUTURE STAR
〔茅原実里〕



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