オリジナル『仮面ライダーダルク』

□第6話「師弟」
1ページ/8ページ



これまでの仮面ライダーダルク


記憶の無い輝は、自分と誰かの幸せの為に戦う。


そのひた向きな想いは、時として様々な人間の心を動かす。


例えそれが自分に向けられる負の感情であっても受け止め、そして応える。




6月22日、本格的に気温が夏に向かい、梅雨の雨が不快な湿気をもたらす頃。

東京国際空港の正面玄関から、1人の女性が現れる。

長い腰までの金髪に赤い瞳、
白のジャケットスーツに紫のシャツと白のミニスカート姿、赤いヒールを履いている。

明らかに日本人ではない風貌。
スタイルは抜群に良く、通り過ぎる男性達はほぼ全員が視線を送っている。


彼女は空を見上げる、今にでも雨が降りそうなほど曇っている。

「あの子は元気にしているかな」

彼女の名は、バレリア=デイルーン。

天蒼輝の師である。



聖ミロンド学園

今日の1年の4時間目の授業は共通の体育で水泳。
雨で出来ないと思われるが、ここのプールは屋内施設となっていて問題はない。

そして、水泳及びプールと言うものは、すべからく心が弾むもの。


その証拠に、1年の女子(ほぼ全員の生徒)が黄色い声を上げて騒いでいる。

そんなプールサイドに1人の女子生徒が登場する。


「あ!美月〜もう隠せないわね〜」
「ホント、ソレすご〜い!」

クラスメイト達の視線がスクール水着姿の美月に集中する。

正確に言えば、歩く度に揺れる美月の豊満な胸に。

「うるさい!ジロジロ見ない////!」

腕で隠し真っ赤な怒った所で説得力は無い。

「いいじゃん。見せ付ければ?愛しの旦那に」
「誰が旦那よ!!大体、あんなスケベな奴!他の子見て鼻の下を・・・って?」

周りを見渡すが、今話題に上がった人物が見つからない。

と、

「美月ちゃん、アレ・・・」

千代が指さしたサイドの隅に、蹲る物体がいた。


「輝、あんた何してんの?」

呼ばれた輝は珍しくビクッ!と跳ねる様に驚き振り返る。

「よ、よう・・・」
「何縮こまってるのよ。ほら、泳ぐわよ!」

手を取って無理矢理立たせて連れ出す美月。


「お、オイ!待て!!」
「うるさい!あんたの所為でこっちは恥ずかしい思いしてるんだから!!」

普段と様子が少し違う輝に気付かないのは、からかわれた事で頭に血が上っている為。

「ちょ、ちょっと!」
「さっさと、入りなさ〜〜い!!」

渋る輝を、後ろから蹴って突き落とした美月。

腹から落ちた輝、水飛沫が高々に舞い散る。


「ふん!・・・・・・あれ?」

ようやく落ち着いた美月は、異変に気付いた。


輝が、あの運動神経抜群で生身でファントムと戦え、
仮面ライダーダルクでもある、

あの天蒼輝が、浮かんでこない。


「・・・きゃあぁぁ!!輝!!」


新事実発覚、

輝は、


筋金入りのカナヅチだった。



―未来、特殊な力“マナ”が存在する世界―


―少年達は、己の力と“精霊”を信じ戦う―


―自分達の明日を作るために―



<仮面ライダーダルク>


OP:FUTURE STAR
〔茅原実里〕


次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ