オリジナル『仮面ライダーダルク』

□第4話「組戦」
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これまでの仮面ライダーダルク


聖ミロンド学園に転入した記憶の無い少年・天蒼輝。


彼は、同様に記憶の無いファントムの少女ジャンヌと契約し仮面ライダーとなった。


輝は友人達と心を通わせ、人々を害するファントムと戦ってゆく。




5月も終わり頃の聖ミロンド学園寮。

朝8時半になろうとするこの時間、

「輝〜!まだなの?!」

上城美月はクラスメイトの天蒼輝を、彼の部屋の前で呼んでいる。
口調から、大分待たされている様だ。


「悪い!外で待っててくれ!!」

輝は、やばいやばい!と慌しく制服に着替えている。

仮面ライダーダルクである彼は、昨晩も深夜に発生したファントムと戦った。
その為、大いに寝坊、つい数分前に食堂から戻ってきたばかりだった。

「ったくぅ!!夜中はキツいぜ!」
「仕方がありません。はい、上着をどうぞ」

輝と契約している少女のファントム“ジャンヌ”も着替えを手伝う。

学園の赤いブレザーに袖を通し、
通学鞄と、愛用の刀“デンライ”が入った長鞄を持って部屋を飛び出した。


寮の玄関を外から見つめる美月。

「悪い悪い!待たせた!」
「遅い!早く行かないと、遅刻よ!」

全く!と怒った顔をして両手を腰に当てる。

靴を履いて駆け出した輝。

が、

玄関床の隙間に引っかかり、コケそうになる。

『うおっ?!!』

とは言えそこは仮面ライダー、この程度でコケはしない。
数歩前に跳んで堪える事が出来た。

筈だった、

『ん?前が赤い、それに柔らかい・・・』

妙な感触、とても心地よい何かに顔が包まれていた。

「あ〜き〜ら〜」

頭上から聞こえる、ドスの効いた美月の声。

輝は美月の豊満なバストに顔を埋めていたのだ。
普段ブレザーで形が抑えられているが、やはり大きい。

「よ、よう・・・おはようっ」

顔を上げ、誤魔化しがてら朝の挨拶してみるが、

「寝てしまえ!このスケベ!!」

逆に頭を殴られ、顔面を地面に叩き付けられた。


校舎の屋上、

「待てよ、美月〜!!」
「うるさい、どスケベ!!」

と言う2人の喧嘩の声を聞いている少女がいた。

「全く、何してるのかしら、朝っぱらから」

彼女は香坂羽名、この学園の生徒会副会長であり、仮面ライダーサイファンである。

≪盗み聞きはいい趣味ではないぞ≫
「仕方ないじゃない。アレだけ騒げば誰にでも聞こえるわ」

契約精霊“凰氣”にツッコミながら日課を行う。

屋上の柵に片足を引っ掛け、足を抱く様に体を深く沈める。
足技主体の彼女は、日々柔軟な体を維持する為の鍛錬を行っている。

何度か沈めた後、反対の脚を振り上げ、両脚で柵を蹴る様にしてバク転をする。
そして、幾度かの回し蹴りを放つ。

これを日に応じた回数行って、日課は終了。

「さてと、授業授業」

鞄を持って校舎内へ戻る。
数日前よりも体が軽いのは、きっとあの少年のお陰。

『今頃教室で謝り続けてるのね』

彼の姿が目に浮かび、クスッと笑うのだった。



―未来、特殊な力“マナ”が存在する世界―


―少年達は、己の力と“精霊”を信じ戦う―


―自分達の明日を作るために―



<仮面ライダーダルク>


OP:FUTURE STAR
〔茅原実里〕



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