リリカルなのは中編・短編

□第5話「オフトレーニング、二・五日〜三日目」
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全力全開の陸戦試合


みんな精根尽きてやりきって


夜の静寂へ




リリカルなのは
FutureS of Past
「ViVid編」


OP:Young Alive!
〔水樹奈々〕



オフトレーニングの陸戦試合、

2戦目は展開を変え、マッチアップの相手も少し変え、

3戦目はチーム構成もトレードで入れ替かえ、熱く激しく過ぎていった。



全試合終了後、
ホテルアルピーノ・露天浴場


「さすがに3連戦はキツイわね〜」

休憩所のテラスで、リクライニングチェアに座っているティアナ。
浴衣姿で、長い髪を2つにまとめて前に垂らしている。

かなり肉体が堪えたとは言え、久しぶりに長時間戦って、鈍っていた勘を取り戻せた様だ。

そこへ、

「あ、ノーヴェに、リオール」
「おう」
「やあ、ティアナ」

ノーヴェとリオールもやって来た。

ノーヴェも浴衣を着て、袖を肩まで上げている。
リオールはTシャツに半ズボンとかなりラフな姿。

2人共ティアナの隣、空いている椅子に座る。

「なになに〜2人で混浴でもしたの?」
「ぶっ!ば、バカなこと言ってんじゃねぇ////!!」

からかわれてのぼせた様に赤くなる。

「ティアナ、それぐらいにしろよ」

苦笑するリオールは至って普通。
2人とも別々に入浴して、別々に出て来たのを分かっているから。

「はいはい、みんなはどうしてた?」
「ったく・・・さすがにみんなぐったりだな」

ノーヴェ曰く、

ハラオウン一家は、部屋でのんびりしている。
父親自慢の甘味物を食べながら団欒しているらしい。

なのはは、メガーヌとキッチンで談笑中。
子供達用のジュースを作っているようだ。


「で、子供達とルーテシアは・・・」

リオール曰く。



現在子供達は、あ〜う〜言いながらベットでぐったり倒れていた。

「うう・・・腕があがらない・・・」
「起きられない・・・」
「・・・動けません・・・」
「ほ、ほんとに・・・」

格闘向けでないコロナは当然ながら、
格闘技者であるヴィヴィオ、リオ、更にはアインハルトまでも筋肉疲労に陥っていた。

「ヴィヴィオ、大丈夫?」
「うぅ〜お姉ちゃ〜ん」

姉のウィルがベットに登ると、甘えるように膝にすがり付き、そのまま膝枕してもらう。

そんな年下達とは違い、ルーテシアは椅子に座って至って普通。
膝に、ヴィヴィオの“セイクリッドハート”愛称クリスを乗せている。

「限界超えてはりきりすぎるからだよ〜」

ヴィヴィオ達のバテバテぶりに思わず苦笑する。

「ルーちゃん、何で平気なの〜?」
「そこはそれ、年長者なりのペース配分がね」

えっへん、と威張ってみせる。

とここで、

「ま、大した怪我も無くてなによりだな」
「だねぇ」

風呂上りのセルシオとスバルが様子を見にやって来た。

「お兄ちゃん達も平気なの?」
「それこそ経験差だな、配分及び体力も、だ。後2戦は出来る」
「あたしはどうだろう。でも六課の時のなのはさんの訓練は、今日みたいなのが毎日だったから」

おお〜と子供達が拍手する。
流石は、現役レスキュー組み。


ヴィヴィオ達がセルシオとスバルに色々聞いている中、
アインハルトは今日の試合で知ったことを思い返していた。

『それにしても、この子達はやっぱり凄いな』

寝返りを打って、ヴィヴィオ達を見詰める。

コロナのゴーレム創成と操作、

リオの炎雷属性魔法戦技、

そして、
ヴィヴィオのカウンターヒット。
一戦目の最後の一発“アクセルスマッシュ”は、アインハルトの度肝を抜いた。

『反撃できたのも完全に偶然、一瞬で意識を遮断された』


思いに更けているアインハルトの視線に気付いたヴィヴィオ。
ウィルから離れてササッと近づき、

「アインハルトさん、どうかしましたか?」

互いの前髪がくっ付く位の距離で尋ねた。

「あ、いえ・・・なんでもありません////」

急に恥ずかしくなり、どぎまぎするアインハルト。

見守るセルシオは、

『我が妹ながら天然と言うか無邪気と言うか・・・免疫が無いアインハルトも問題だな』

妹分達の初々しさを苦笑していた。


「そう言えば、アインハルトはこういう試合始めてだったよね?」
「ねぇねぇ、どうだった?」

ふと思い当たったルーテシアとスバルが聞いてみる。

「はい、とても勉強になりました」

体を起こして、真剣な表情で答える。
ルーテシアは質問を続ける。

「スポーツとしての魔法戦技もけっこう熱くなれるでしょ?」
「はい・・・いろいろと反省しましたし、自分の弱さを知る事もできました」

常に自分に厳しいアインハルト、

「わたしの世界は・・・見ていたものは本当に狭かったと」

次第に落ち込みだして表情が暗くなる。

「今日の試合が良かったんなら、この先こんなのはどうかなって」

ルーテシアとスバルが勧めるのは、これ。


DSAA(ディメンジョン・スポーツ・アクティビティ・アソシエイション)
公式魔法戦技競技会


表示した空間モニターには、過去の大会映像が映し出される。


「出場可能年齢10歳から19歳」
「個人計測ライフポイントを使用して、限りなく実戦に近いスタイルに行われる魔法戦競技」
「全管理世界から集まった若い魔導師達が魔法戦で覇を競う」

「「インターミドル・チャンピオンシップ」」


アインハルトは表情を一転させた。
内側から確かに脈打つ闘志を感じながら。

今年からヴィヴィオ達も参加資格があり、出場しようと思っている。
なお、ルーテシアも出る気満々。



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