リリカルなのは中編・短編
□第4話「オフトレーニング、二日目」
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久しぶりに穏やかな自然の中で過ごす一行
大人も子供も、その胸に思いを抱きながら
訓練旅行は、二日目を迎えようとしていた
リリカルなのは
FutureS of Past
「ViVid編」
OP:Young Alive!
〔水樹奈々〕
5月13日、オフトレーニング2日目。
朝食の後は、いよいよメインイベントである陸戦試合の開始となる。
が、まだ時間が早いせいか、セルシオはまだベットで寝ている。
ある者は朝からチームミーティングに余念が無いと言うのに、中々に神経が太い様だ。
そんなセルシオを、
「セルシオ〜起きなよ〜」
恋人のスバルが起こす。
「朝ごはんだよ〜セルシオ〜」
体を揺さぶり、眠りからの解放を促す。
「う〜・・・っん・・・ふぁ〜」
欠伸をして目を擦り、柔らかい枕から上半身をゆっくり起こすセルシオ。
「おはよっ」
ふにゅ
おかしい、明らかにおかしい。
何故、体を起こした筈なのに、再び柔らかいものに顔が包まれるのか。
「セルシオ、流石に朝からはダメだよ////」
正解は、スバルの豊満な胸に見事にヒットしたからだ。
どうやら、セルシオに跨った体勢で起していた様だ。
「ちょ、スバッ」
「あ〜でも、ちょっとだけいいよね。昨日は一緒に寝れなかったし♪」
離すまいと、ギュ〜とセルシオの頭を抱き締めるスバル。
お陰で抗議したくても出来ないセルシオは、顔を真っ赤にして半ばおもちゃにされていた。
2分程で解放されたセルシオ。
「全く・・・もうちょっと普通に起こしてくれよ」
就寝用のラフな格好から、トレーニングウェアに着替え終わる。
「いいじゃん、スキンシップだよ。それに、普段ベットじゃ負けてるから、偶には勝ちたいし」
最後の発言で何かしらを想像したセルシオ、再び真っ赤になる。
「スバル!!」
「あははっ、じゃあ食堂で待ってるね」
手をヒラヒラ振って去って行ったスバル。
残されたセルシオは、ため息をついて気持ちを整理する。
「こういう時、俺が年下って実感するよ・・・・・・ん?」
黄昏ようと窓を見ると、ルーテシアとコロナが何やら話をしながらロッジに戻るのが見えた。
「ルー嬢とコロナ、何してたんだ?」
≪昨日、ルーテシアがコロナのデバイスを作ったとか言ってたぞ、これがな≫
ベットスタンドに置いていた相棒“ナイトゲイン”。
「ほ〜コロナは相手チームだから、対決するかもしれないな。新作同士負けられないぞ」
≪当然だ、これがな≫
ハプニング(?)もあったが、今日の試合に向けて気合が入るセルシオは、ナイトゲインを手にして、食堂へ向かった。
丁度その頃、
リオールはベットに仰向けに横たわって、身体検査を受けていた。
傍らで、心配そうにノーヴェが見つめる中、
複数のモニターを表示し、チェックを行っているのは、
「血圧、呼吸器系、神経系、その他諸々・・・」
名医として名高い、フェイトの夫トウヤである。
「・・・よし、問題無いね。コアメタルも正常に機能してる」
「ありがとうございます、先生」
体を起こし、上着に袖を通すリオール。
「なぁ、リオール。本当にやるのかよ?」
「うん。体を気にして何もしなかったら、もっと何も出来ないから」
ベットから降りたリオールは、ノーヴェを見詰める。
「それに、自分がどこまでやれるから、限界を試したいんだ」
確固たる決意を伝える。
「無理だと判断したら、僕がドクターストップをかけるよ」
だから大丈夫、とトウヤも後押しをする。
「・・・分かった。でも、無理はすんなよ」
「分かってる。ありがとう」
渋々了承したノーヴェを安心させる為に、抱き締めるリオール。
この小一時間後に、試合が始まる。
第4話「オフトレーニング、二日目」
食事休憩後、陸戦場に集まった面々。
今回の試合説明を、プロデューサーと言う事でノーヴェがすることに。
「え〜、ルールは昨日説明した通り、赤組と青組7人ずつのチームに分かれたフィールドマッチです。ライフポイントは、今回もDSAA公式試合用タグで管理します」
手の平に収まるサイズの楕円型のタグ、これに各ポジションで決められたライフポイントが表示され、0になれば脱落となる。
「あとは皆さん、怪我の無いよう正々堂々頑張りましょう」
は〜いっ、と元気良く返事する子供たち。
そして、セルシオやリオールを加え、全員一斉に、
『セーット、アップ!!』
デバイス及びバリアジャケットを着装した。
ここで、グループ分けを説明する。
赤組
CG:ティアナ、ライフ2500
FB:キャロ、ライフ2200
WB:コロナ、ライフ2500
GW:フェイト、ライフ2800
GW:リオール、ライフ2800
FA:ノーヴェ、ライフ3000
FA:アインハルト、ライフ3000
青組
CG:なのは、ライフ2500
FB:ルーテシア、ライフ2200
GW:エリオ、ライフ2800
GW:リオ、ライフ2800
FA:スバル、ライフ3000
FA:セルシオ、ライフ3000
FA:ヴィヴィオ、ライフ3000
各グループが、スタート位置に移動しようとすると、
「お姉ちゃん、お兄ちゃん、頑張ってねぇ!!」
「ヴィヴィオ、無理しないでね!」
観戦組みのユキとウィルが声援を送る。
「頑張るよ〜!!」
キャロがユキに、
「見ててね、お姉ちゃん!!」
ヴィヴィオがウィルに応える。