遊戯王短編

□10000hitリクエスト小説「恋のお節介」
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時期、本編で旧デュエルアカデミアに行った後。
とある場所で、9人でコテージを借りて生活中。


て言う状態だと思ってください。
実際本編に反映されるかは不明。




「恋のお節介」



とある町、遊星達9人は破滅の光の戦いに備えて、同居生活を送っている。



そんなある日、アキと未香の部屋。

「と言うわけで!!遊星とアキちゃんをくっ付けよう作戦を実行します!!」

バックで“ドンドンドン♪”と言う謎の音が聞こえそうなほどハイテンションな、ムードメーカー(トラブルメーカー)役の未香。

「頑張ってくださいね、アキさん!」

そして、何故か真人間にカテゴリーされる筈の龍可までも乗り気である。


「・・・もう作戦名から既にお節介な気がするんですけど」
「ごめんね、アキ。止めたくても止められなかったの!」

もう諦めムードを漂わせるアキに、真の真面目女子であるアヤが必死に謝罪する。


「だってさぁ〜ここに着て何日か経つけど」
「2人共、端から見たら恋人同然なのに」

未香と龍可曰く、遊星とアキは2人きりになると、顔を赤くして照れ始め、口数も極端に減ると言う。

要は、焦れたいからサッサとくっ付けと言っているのだ。


「で、今回龍可ちゃんと相談して作戦を練ってみました!」

龍可は、真面目にアキの恋路を応援しているが、未香はそれに乗っかって楽しんでいるのが本心ではある。

とりあえず、作戦を聞いてみる事に。




一階、リビング。


「買出し?」
「悪いな、行って来てくれねぇか?」

ラナスから買出しを頼まれる遊星。

「構わないが、他のみんなは?」
「後代は学会発表用の論文を書き上げるんだと」

流石現役博士と言った所だろうか。

「元キングはこれから俺とデュエルだ。それに買ってくる物、チビッ子には無理だ」

誰が元キングだ?!!、と庭の方から聞こえるのはさて置き、リストを見ると確かに龍亜には少々無理のある物ばかり。

「て、訳だ」
「分かった」


了承した遊星が出ようとした時、

「あれぇ〜ラナスさんに遊星だぁ」

二階から未香がアキを連れて降りてきた。


『まさかっ』

未香の、明らかに何か企んでる風な口調を聞いて、一気に遊星の中に疑いの念が湧き上がる。


「よう、元気ガール。これから買出しに行ってもらう所なんだ」
「わぁ、奇遇♪私もアキちゃんに行ってもらう所なの♪」

至極普通なラナスに対し、未香は白々しい演技をしている。

「なら一緒に行けばいいんじゃねぇか?」
「そうだね、それがいいよ♪」

そう来たか、と2人の言わんとすることが読めた遊星。

正直、断ってしまおうかと思った遊星だったが、


「・・・えっと、遊星。一緒に、行きましょう////?」

などと顔を赤くしてアキに言われたら断れる筈もなかった。


2人で一緒にと言う事で、歩いて行く事になり、デッキも置いて行く事になった。



「これで、少しは進むでしょ」
「どうだか、あの奥手カップルは中々の奥手だぞ」

互いに言葉に出さない2人、どこまで距離が縮まるか不安な所ではある。


「ふん!いい加減、奴らにはイライラする!!」

どうやらジャックもある意味被害者の1人な様だ。

「そんなことより、デュエルだ、ラナス!」
「OK、後輩キング。キングの先輩の実力見せてやる!」




道中、

『遊星と2人きり////!!』
『アキと2人だけ・・・』

同じ事を考えて、沈黙しっ放しな2人。




≪うぅ〜焦れたい!!≫
≪もっとくっ付けばいいのに!≫

気付かれない様に覗いているのは、
未香の精霊“サイバーチュチュ(以下チュチュ)”と、“コールド・エンチャンター(以下エンちゃん)”。

そして、

≪くそぉ〜マスターが!!≫
≪ちょっと静に!ボク達バレちゃうでしょ!!≫

取られるのが嫌な遊星の精霊“エフェクト・ヴェーラー(以下ヴェーラー)”を、後代の精霊“レディ・オブ・ファイア(以下レディ)”が必死に宥めている。

≪・・・マスターがいる〜≫

アキの精霊“ブラックローズ・ウィッチ(以下ウィッチ)”も付いてきている。




商店街に着いた2人。

丁度買い物時なのだろう、人が多く行き交い、実に賑やか。


『はぐれたらどうしよう』

などとアキが考えていると、突然手に温もりが感じられた。


「アキ、俺から離れるなよ」
「えっ」

普段と変わらない落ち着いた表情で、遊星はアキの手を握った。
本当は心臓の鼓動が急速に早くなっているのを気付かれない様にしているだけなのだが。

対するアキは、

「・・・うん////」

少々照れながらも、より強く握り返すのだった。



≪マスっ≫
≪黙って、バレるでしょ!!≫
≪今良い所なんだから!!≫

飛び出そうとするヴェーラーをレディとチュチュが口を塞ぎ羽交い絞めにしている。




それから遊星とアキは、自分達の買い物を順々にこなしていく。

途中、2人の目的地が違う場合も、

「アキを一人にして何かあったら危険だ」

と言って、一緒に行った。



軽く食事をして、最後の買い物を終えて、2人は夕日が見える公園のベンチに座っている。


「ありがとう、遊星。今日付き合ってくれて」
「俺の方こそ、ありがとう、アキ。いい骨休みになった」

ここで、アキは少し大胆な行動に出た。

遊星の肩に頭を乗せ、その身を預けたのだ。

「あ、アキっ」
「お願い、ちょっとだけ・・・」

その後、2人は何も言わずに、暫くそのまま寄り添い合っていた。



その最中、


≪う〜〜!!う〜〜!!≫
≪だから!ダメだって言ってるでしょ!!≫

遠くの木の陰で、ヴェーラーをレディが必死に押さえ込んだり、

≪マスターがいる〜≫
≪ああ、言っちゃダメ!!≫

ウィッチが勝手にアキのところに行こうとするのを、エンちゃんが止めたりしていた。
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