ヴァンガード短編
□これが私の本気
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おまけ
女子2名が場を離れ、部室に残った男子3名。
「お前、すげぇな」
「え?何が?」
ナオキが思わず口を開いた。
「いやな、アイドルと知った仲だったり、番長を全く怖がらなかったりよ」
一般男子、高校1年の少年では中々見当たらない女性人脈ではある。何度も言うが、ミサキは見た目がそうであって間違ってもヤンキーではない。
「それは、コーリンさんとはヴァンガードの試合とか姉妹で経営しているお店に行ったりしたし、ミサキさんとはずっと一緒のチームにいたし」
「そうかもしれねぇけどよぉ、あんな気の強い女に、しかも2人から気に入られるってのは、中々ないぜ」
「それは先導くんの人徳がなせる業なのです。どこかの不良初心者様には一生無理なのです」
「んだと、コラァ!!」
シンゴが余計な一言を言い、何時もの様に食って掛かるナオキ。そして2人はまた何時もの様に喧嘩越しのカードファイトを始める。
離れて苦笑しているアイチは、
『・・・ミサキさん、コーリンさん・・・僕はっ』
心の中で自分を大切に思ってくれている少女2人と、何時か来る決断の時を思い浮かべたのだった。