dream
□神代もきかず
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「つまり君の魂を、ってこと?」
無意識の内に出た言葉だった。
なみなみと土器(かわらけ)に注がれた酒をぼんやり眺めていた龍崎京は、その時初めて闖入者の顔をまじまじと見つめた。
その年若い陰陽師は、それまで龍崎が上の空でも取り立て気にしていない様子で、淡々とした口調で語っていたが、ぱたと口を噤んだ。そして一呼吸挟み、
「そうですね」
と静かに微笑み、手に持つ酒を一口呑んだ。
それはまるで他人事な口調で、むしろどこか楽しんでいるようでもあった。
神代(かみよ)もきかず
清稜と龍崎
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