買ってきたお土産を○○が居間で広げていると
大我がにやにや笑いながらのぞき込んでくる。
「おう、どれ俺にくれるんだ」
スイーツやおつまみなどが並ぶなか、
大我が指でぴんと弾いたのは、携帯のストラップ。
「随分とファンシーじゃねえか」
色違いで2つ。
「う…やっぱり…駄目かなあ」
誓と何かお揃いが欲しくていろいろと探してみたものの
結局選んだのは、どうやっても大の男なら選ばないような可愛らしいストラップで、
誓は喜ばないのではないかと、今更ながら○○は頭を抱えている。
惚れた女が選んだものを、嫌な顔してもらう訳ねえだろう
○○がぶちぶち言っているのを眺めながら、大我は想う。
「いいんじゃねえの、それだって」
と、わざと呑気な声で応える。
「そうかなあ。誓さんにヒエヒエ視線で『何だこれは』なんて言われたらどうしよう」
「んなことねえよなあ、誓」
戻ってきた誓の姿を認めると、大我は声をかける。
「何の話だ」
大我と、○○の前のお土産の山をみて、誓は眉を顰める。
「だからよ、誓はちっちぇえのとか、かわいいのがすげえ好きだって話してたんだ」
笑いを含んだ大我の言葉に
「は?」
「何?」
○○と誓が同時に変な声を出す。
「○○がそうじゃねえか。なあ」
大我の言いたいことがわかると
「この馬鹿犬が」
珍しく誓のほうが大我にくってかかるが、
「あ?ほんとのことだろうが」
大我はにやにや笑いながら返す。
「それともお前、○○は可愛くねえっていうの?」
顔を真っ紅にした誓は○○の手を掴むと
「いくぞ、馬鹿がうつる」
珍しく大きな足音を立てながら部屋へと向かっていった。
「面白れえ奴だなあ、相変わらず」
ストラップだけがなくなっているお土産の山を見ながら
面白くなさそうな顔で大我は呟いた。