庭球長編2

□赤きイナズマ
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赤「分かったらこれ以上、オレに近付くんじゃねぇ!!」


青「何で………
何でテメェーは、いつもそうなんだよ!?」


赤「……は!?」


青「だから!!何でテメェーはいつもそうなのか、聞いてんだよ!!」


青也は突然、赤也の胸倉に掴みかかった。


赤「テメェーには…
……関係ねぇだろ…!!」


青「……ッッ!!!!!」


青也は拳を握りしめ、赤也の顔面を殴ろうとした…



だが





瑠「青也!!!」


青「…………オレは、別に
お前を許したわけじゃねぇ。
ただ、"真実"が知りたいだけなんだ」


赤「真実も何も、お前達が見たのが…それが揺るぎない真実だろ…」


瑠「それでも!!」


赤「いい加減にしろっ!!」


赤也は、瑠美が最後まで言うのを自分の言葉で遮り、空を見ながら呟く。



赤「………………………
オレは、お前等が思ってるほどの奴じゃない。
オレを信じる程の価値も…オレが真実を話す資格も
どこにもねぇーんだよ。」


青「…………………」


青也は、静かに赤也から手を離す。

同時に青也は、赤也の言葉を聞き真実は別にあると確信した。



赤「もう一度言う…
二度とオレに関わるな!!」



青也と瑠美の目を見ずに言う赤也。


青・瑠「「…………………」」


赤「だからもう、帰ってくれ…!!」


赤也は拳を強く握りしめた。

青也から切られた、傷口から血が滲み出るくらいに…


青「瑠美姉…行こう…!!」


その一言で瑠美と青也は、部屋のドアに手をかける。




そして、青也と瑠美は
赤也が独りで何かを抱えていることに薄々気付きはじめていた。
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