庭球長編2
□赤きイナズマ
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その日、あたしと青也は
あるテニスコートの隣を通りがかった……
青「瑠美姉………
あれ、赤也じゃないか…?」
青也は、驚きながら赤也に指をさして
あたしに、知らせてきた。
何がそんなに、驚くことなんだろうと思い、あたしは視線をその青也の指の先に移すと
そこには…
今まで見たことのない光景が広がっていた…
赤「覚悟しろよ!!絢嘉!!
これが決まれば、オレの勝ちだからなッッ!!
ジュースはオレのモンだッッ!!」
絢「なにをぉー!!
ジュースは私の物なんだから!!絶対決めさせない!!」
何か、赤也達はジュースを賭けて戦っているようだった。
でも、赤也があんなに大きな声を出すとこなんて初めて見た。
何だか…楽しそう…!!
赤也は、いつも家では無表情。
口を開くことも、めったにない
そんな赤也を両親も、気味が悪い子として遠ざけていた
でも、実際は違った
赤也は、ちゃんと笑ってるし人としての表情もある。
多分、あんな扱いを家で受けているから。
だから赤也は、表情を無くしたと思われてただけ。
だけど………………
青也は何故か、楽しそうにテニスをしている赤也を見て、自然と拳を握りしめていた。
怒りや悔しさに似た感情。