ペルソナAs

□零からの想起
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 今宵も蒼き胡蝶は
 果て無き地の旅人であった。

 移ろいゆく世界において
 時はその停滞を待たない。
 鬩ぎ合う個の存在を問うのは
 至極、愚問であった。

 旅人は未だ知らない。
 鬩ぎ合うからこそ
 その世界に秩序が
 生まれることを。

 旅人は憂い唄う。
 深き混沌の中にこそ
 自らの形相が
 存在することを。


 今宵も蒼き胡蝶は
 生まれ落ちた。
 小さき世界で
 その羽を休めることを願い――



 『零からの想起』
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