完結済

□シズシズにしてやんよ!
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中学生な平和島くん




6年間という長い学校生活を終えて、中学生になった私たち。

小学生の時にはなかった男女のちょっとした距離。友達以上の感情。そんなものだって一丁前に芽生えてくる、そんなお年頃。


『ねぇ平和島くん』

「…………」

『しーずーお!』

「…………」

『ねぇったら!ねぇ!』

「んだよ」


そしてこの機嫌の悪そうなのが、今まさに私の恋のお相手。でも完全なる一方通行だ。

どことなくあどけなさが残っているそれに、私は見とれずにはいれなかった。


「……おい」

『あ、ごめん』

「何の用だよ」

『用って?』

「今、呼んだだろ」


そう言うとさらに眉間のシワを深くする彼。ああ折角の顔が台無しになっちゃう。将来有望なのに。

そういえば弟くんも格好良いんだっけ。クラスの子が言ってた気がする。ま、私は平和島くんしか眼中にないのだけれど。


「なんなのお前。さっきから俺のことジロジロ見やがって」

『え、あ、私そんなに見てた?』

「あぁ。これでもかってくらい。殺意が芽生えた」

『ごめんごめん』


口が滑っても格好良くて見とれてた、なんて本当のこと言えない。

きっと殴られる。下手したらイス、いや、机が飛んでくるかも。考えただけでおぞましい。


「用がないなら最初っから呼ぶんじゃねーよ」

『え、用がなかったら呼んじゃいけないの?』

「当たり前だ」

『なんで?』

「……うぜぇ」


でもなんだかんだ言って女の子には手を出さない彼は、本当は誰よりも優しい。みんなが気付いてないだけ。

イケメンだろうが怪力だろうが関係ない。私は平和島くんの内面が好き。

だから「このまま自分だけ知ってたらいいのに」って、心の底から思った。











(どんどん、どんどん)
(膨らんでゆく)







中学生の平和島くんはツンツンツンツンツンデレくらいだと信じてる。

でも実は密かに女の子のこと意識してたら尚更いい。ウブって良いですね。ぐふふ。
 
 

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