菟の小説

□第三章
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なにも、あのタイミングで
言うべき事じゃなかったな


なんて

今更
後悔しても
しかたがない。



ただ
彼には
笑っていてほしい…


あの
太陽のような笑顔

また
見せてくれるかな


ただ
それだけでよかったはずなのに
自分の気持ちを
抑える事が出来ず

押し付けてしまった。


それが
あの人を
更に苦しめている。



バカか 俺は



深いため息が漏れた。




共演者の一人が
「何かあったの?」
と、不思議そうな顔して
俺を見ている。




あぁ
顔に出ちゃってたんですね。

ダメじゃん 俺


仕事におもいっきり
支障出てるし。


「なんでもありませんよ。」
微笑んで
撮影に戻る。


今日は
仕事に集中しよう。


そうすれば
何も考えずにすむから…



いや
プロとして
そこは手を抜く訳にはいきませんからね!



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