隣の若くんSeason2

□隣の若くん バレンタインビターキス
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日吉は自分が信じられなかった
手の中にある小さな包みを見つめた

日吉は受け取ってしまった
誰だかわからないが、先輩であることは間違いなかった
帰り際に呼び止められて、何か言われた
聞き取れなかったが適当に返事をした
先輩は少し顔を赤らめながら
小さな箱を日吉に差し出した
中身もその意味も明白だ
日吉もそれをわかっていた
分かっていたのに、断らなかった

何故断らなかったのか
自分でも分からない
相手は同じ学校の先輩とはいえ
知らない人だ
話したこともない
あるとしても、日吉は覚えていなかった

滝夜叉摩耶のは受け取らなかった
白石と同じものを受け取るつもりはなかった


手の中の箱をしばらく弄び
日吉はぽいと、ゴミ箱に捨てた
酷いかもしれないが
食べる気にもならない
甘いものは、嫌いなのだ






受け取ったことにより、勘違いされたらしい
次の日、登校すると
日吉はそのコと付き合っていることになっていた
別にどうでもよかった
肯定も否定もしなかった

日吉が滝夜叉摩耶以外の人と付き合っているという噂は
すぐに広まり、滝夜叉摩耶の耳にも届いた


滝夜叉摩耶は凍りついた
世界が終わるような気がした
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