隣の若くんSeason2

□隣の若くん ゲームをやって!
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「白石さんは、ゲーム得意ですか?」
『え?まあ、得意かは分からんけど…』

次の日、滝夜叉摩耶は白石と電話をしていた
白石はいつも部活で忙しいので久しぶりだった

「どうなっちゃうのか気になるのに
 難しくて先に進めないんです
 若もやってくれないし…」

日吉の名前を聞いて、白石はやる気が出た
ゲームは得意なわけではないけれど
滝夜叉摩耶ちゃんを喜ばせてあげたい


早速次の日曜の部活帰り
白石は滝夜叉摩耶の家へ向かった


玄関に入るときは緊張した
もう何度も入った家だが
未だに慣れないでいる
自分がこの家に拒まれているような

そんな気分になる

それでも、滝夜叉摩耶の部屋に入ると落ち着いた気分になる
マイナスイオンでも出ているのではないだろうか

滝夜叉摩耶は、部屋に入るなり
早速ゲームをつけた

静かな音楽とともに
可愛らしいキャラクターたちが現れる

「ああ、コレか。やったことあんで
 何年か前にユカリにやらされたんや」

ゆかり?

誰かしら、と少し不安になる滝夜叉摩耶
訊く勇気がなくて、そのまま黙っていた

白石はそんな滝夜叉摩耶に気がつく様子はない

一度クリアしたことのあるゲームだ
かなり前のことだったが
懸命に記憶を呼び覚ます

滝夜叉摩耶ちゃんにいいところを見せなくては

てきぱきと進めてゆく
滝夜叉摩耶がどうしてもできなかったところも
あっさりとクリアした

「すごーい、白石さんありがとう」
ぱちぱちと嬉しそうに手をたたく滝夜叉摩耶

「これ、も少しレベル上げとかな
 次がキツイで
 少し、レベル上げしといたるわ」

「わ、どうもありがとう
 私、レベル上げたりとか
 アイテム使ったりとか、すごく苦手で…」

結局滝夜叉摩耶は、上手くできないでいたところや
取り損ねていたアイテムなど
難しいところをすべて白石にやってもらってしまった
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