隣の若くんSeason2

□隣の若くん 遠足大波乱前編
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滝夜叉摩耶が待ちに待った当日

現地集合なので、友達と駅で待ち合わせをしていた

日吉は一人で行くのだろうか?
滝夜叉摩耶は少し心配になったが
あまりお節介をすると、機嫌を悪くされてしまうので
考えないようにした

けれど、きょろきょろと日吉を探してしまう
自分の方が早く出たから、もしかしたらそろそろ来るかもしれない
というか、待ち合わせている友達はいつ来るのだろうか?
皆遅い…


やっと、友達が集まり始めたとき滝夜叉摩耶は泣きそうになっていた

「皆遅いよぉ、行けなくなっちゃったらどうするの?」
「ごめんごめん、って待ち合わせ時間には、遅れてないよ?
 ぴったりじゃん」
「5分前行動って知ってる?」
「はいはい、あんたは一人、15分前行動だけどね」
「だって、早く目が覚めちゃったんだもん」


滝夜叉摩耶はあまり電車に乗ることがないので
いろいろと目新しかった
スイカをかざすとゲートが開くのにも
いちいち不思議がった

「あんたにとっては、どこでもテーマパークね」
と友達は笑った



ホームには、氷帝学園生徒が大勢いた
みんな大体同じ時間に行くのだから、当たり前なのだが


「私、バスかなんかで行くのかと思った」
電車を待ちながら、友達の一人が呟いた
「公共施設内でのマナーを身につけさせる目的でしょう?
 そんなことしなくても、通学で使ってるんだから分かってるのにね」
「滝夜叉摩耶みたいな子もいるからね〜」
「徒歩とか自転車の人だって大勢いるよ?」
「切符の買い方も分からない子はそうそういないわよ」
「スイカだもん」
「じゃあチャージできる?」
「う」

実はチャージをしたことがなかった
いつもパパに任せていたし、大体まだ二、三回しか使ったことがない
ショッピングは駅前で十分だし
休日はパパと車でおでかけだからだ


シーが見えてくると、滝夜叉摩耶ははしゃぐ心を抑えることが難しくなってきた

園の前の広場には既に生徒が集まっていた
皆、テンションが上がり、ざわざわとしていた


事前に決めていた班ごとにまとまり
どこから回るか話し合っていた

滝夜叉摩耶の班は女の子五人だった
回る順番は決めずに、そのときの気分で乗るということにしていた
この取り決めが思わぬ事態を招くということも知らずに



*******************


日吉は、一人で電車に乗ったはずだったが
車内でテニス部の先輩につかまってしまった

なんだかんだと、後輩のことが気になる先輩たちは
一人ぼっちの日吉を見つけ、からかいがてら
一緒に集合場所に向かっていた

「マジマジすっげーよな。貸切なんてさ
 跡部もいいことしてくれるよな」
「ジローこんなときだけ、元気だな」
という向日もさっきから、落ち着きがなかった

日吉の班は男子三人女子二人という構成だったので
園内では男女別れて行動することにしていた
本当はいけないのだが、黙認されてる
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