隣の若くんSeason2

□隣の若くん ゲームをやって!
1ページ/3ページ


「やっ、たあっっ」
「下手」


滝夜叉摩耶はおとといからずっとこの調子だ
日吉は隣に座ってそれを眺めている
なんだってこんなくだらないものに夢中になれるんだ?

日吉はテレビゲームが好きではない
どうしてこんなくだらないものに時間を割こうと思うのだろうか
しかし、滝夜叉摩耶は昔からテレビゲームが好きだった

中古で値段が下がってから購入するので
少し前のソフトになってしまうが
流行にはあまり関心がないので、丁度いいのだ
今はこの前行った遠足から、頭の中はファンタジアらしく
王国のゲームをしている


「ほら、ね?
 面白いでしょ?」
「どこが」

今はもう十時になるところだ
普段ならすでに寝る準備をしている時間だ


「わ、何コレ?!!若やって!!」
「なんで俺が」
「だってこの敵怖いもん」
無理矢理日吉にコントローラーを渡して
自分はクッションで顔を隠しながら見ている
「若!!そこっ!がんばれ!!」

うるさい

「あ、ほらさんかく!!さんかく押して!!」
「見てるじゃないか。なら自分でやれ」
日吉は滝夜叉摩耶の持っているクッションをひきはがす
「やーん」
滝夜叉摩耶は手をバタバタさせて取り戻そうとしたが
腕を一杯に伸ばしても届かなかった
「大体、俺はこうゆうくだらないゲームは嫌いなんだ」
「そんなことないもん
 すごーく感動するでしょ?
 それになんたって、可愛い……むぐっ!」
日吉は滝夜叉摩耶の顔にクッションを押し付ける
「さっさと寝ないと起きられないぞ
 俺はもう寝るからな」
そう言うなり日吉は部屋を出て行ってしまった
滝夜叉摩耶がゲーム機を片付けていると
日吉の部屋の明かりが点いた


「若おやすみ」

呟いて、滝夜叉摩耶もベッドに入る
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ