隣の若くんSeason1

□隣の若くん 守りたい人
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氷帝学園にある噂が広がった
何処から広がったのか、今ではかなりの尾ひれがつき
聞くたびに違う話になっている

簡単に説明すると
滝夜叉摩耶が日吉に振られ、傷心しているというものだった

今まで滝夜叉摩耶を恋愛対象としてみていなかったはずの男の子たちが
自分の秘めたる恋心に気付き始める
日吉という存在に無意識に遠慮し、自分の気持ちに気がつかなかったというところだろうか

そして、滝夜叉摩耶に告白するチャンスを狙う

滝夜叉摩耶は噂の渦中にあるとも知らず日々を過ごしていたが
ある日を境に一変してしまう
始まりは机の中に入っていた手紙

放課後に校舎裏へ来て欲しいという内容だった
(もしかして、果たし状?)
滝夜叉摩耶の思考回路はどうなっているのだろうか
とにかく差出人は知らない人だった
友達に聞くと、隣のクラスの人だそうだ

体育の授業が終わり校庭から戻ってくると、上履きの上に手紙が置いてあった
今度は別のクラスの人だそうだ

滝夜叉摩耶はクラスの違う男子の顔は結構あやふやだ
同じクラスになったことがあれば別だが

とりあえず呼び出されたので行ってみることにした
クラスも違うのに一体何の用があるのだろうか
少し緊張気味で向かう


そこにはなんとなく見たことのある男子がいた
ひとりは確かバスケ部の人だ
もう一人は、……よく分からないが多分見たことがある
二人はお互いに何でお前がいるんだ?ということをしきりに喋り合っている


「お待たせしました、あの?」
「あ、滝夜叉摩耶ちゃん!」
「滝夜叉摩耶ちゃん、来てくれたんだ、よかった」
声を掛けると二人とも赤い顔をして振り向いた

「あの、私になにかご用ですか?」
「あ、あのさ滝夜叉摩耶ちゃん、いきなりだけど、俺と付き合ってくれないかな」
「えっ?」
「あ、お前っ、滝夜叉摩耶ちゃん俺と付き合ってください」
「え?え?」
二人に、お願いしますと迫られ滝夜叉摩耶は困惑する
「あの、お気持ちは嬉しいんですけど、私、付き合ってる人がいるので…」
「え?!!マジで?でも、日吉とは別れたんだよね?」
「え?若?別れたもなにも、付き合ってないけど…」
「じゃ、じゃあ誰と…」
「違う学校の人とです」
二人は信じられないという顔をしてる
「滝夜叉摩耶ちゃんに、彼氏がいたなんて…」
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