カラクリの歯車

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   ガシャン!!






あぁ……




こんなに呆気なく人生が終わるのか



例え道具とかしか思われていなくとも父の役にたちたかった



いや、誰かに僕自身を必要とされたかった

役にたちたかった




離れたところで人が沢山集まってくる

ガヤガヤと五月蝿いが自分には、もう 余り聞こえない




意識も視界も朦朧としてきた……


頬や手に生暖かい液体がこびりついている




空が青い……赤い……





フッと空に人が居たような気がした


気のせいだろうが…





あっ…そう言えば彼女は大丈夫だろうか?



そして悲しむだろうか?



こんなに自分が死んだら…悲しんでくれるだろうか


彼女には何もしてやれなかったなぁ…


父親には役立たずの子供として記憶に残るのだろうか?


あぁ……死にたくないなぁ…


生きたい…



こんな自分が生きても必要とされないだろうが、



生きたい



どんなに利用されてもいいから…必要として欲しい、

偽りの嘘でも良いから……愛が欲しいかった


人に…父に…愛してもらいたかったなぁ…





あぁ…死にたくない



生きたい


生きたい


生きたい


生きたい



まだ、生きたい……。








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