†ぬらりひょんの孫花園†
□願い事、ひとつだけ
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『あっ……ぅ、く、りは……んっ、も、やめ……っあ!』
『っは……やめてやると、思うかい?』
『ッ!!』
さらに深く、抉られる。
頭はガチりと捕らえられ、腰も両手で抑えられている。
逃げ場のない、この体と、そこに走る快楽。
なんて不毛な関係だろう。
喘ぎながら、首無は思う。
求めたのは自分。
焦がれて焦がれて、絡め捉えてやろうと思って―――
囚われたのは、自分。
分かっていた。
人の道、など妖怪の自分には当てはまらぬものかもしれなくとも。
元は人。
この関係が、快楽以外の何者も生み出さないことだと―――
そして、その道徳、倫理、そう呼ばれる何かに、反した行為であることも。
だからだろうか。
彼の人を、喪うことになったのは―――
けれど、彼は知らない。
今は亡き鯉伴が、秘めた心を。
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