†FFZ花園†

□クラウド誕!
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「………クラウド」


「………ん」



うつむいた表情をゆっくりと仰向かせ、ザックスは静かにクラウドに口づけた。



「誕生日、おめでとう」


「何回も……聞いたよ」


「うん、でも何回でも」



うんと祝ってやりたくて。



「他に、なんか欲しいもんある?」


「え!?ないよっ、もう満足したから」


「………ほんとに?」


「ほんとだよ!ここまでしてもらって、まだ何か望んだらバチが当たりそうだ」


「そんなわけないだろ、クラウドの誕生日なんだから」



今日この日だけは、大人だって子供だって関係ない。


生まれた来たことに、感謝をささげ、それを祝ってやる日だ。


そして2人の場合は―――



(俺と、出逢ってくれてありがとう)



生まれていなければ、ありえなかった奇跡。


生まれていても、ありえなかったかもしれない奇跡。



「だから、好きなこと言っていいんだぜ?……遠慮すんなって」


「………」



他に自分が欲しいもの。


欲しいもの……………


もらっていないもの……



「…………………あ」



思いついて、クラウドは頬を上気させた。



(馬鹿!何考えてんだよ、俺……っ!)



一気に顔を赤くさせて、何やらもんもんとするクラウドを、ザックスは不思議そうに見つめた。



「クラウド?」


「えっ!?あ、いや、何でもないっ!何もないっ、大丈夫!」


「……顔赤いけど、大丈夫って言えんの?熱あるんじゃねーだろうな」


「ないっ、ないって!大丈夫だから!」


「…………ふぅん………?で、何かあった?欲しいもの」


「…………ッ///」


「?」



とたんに真っ赤になって顔を逸らしたクラウドに、ザックスは少しばかり眉を寄せた。



(……言えばいいのに)



「隠すなよ〜?ほら、言えって」


「わっ、バカやめ……っ」



ぐい、とクラウドを引き寄せれば、力ではまだまだザックスには到底勝てないクラウドは、あっさりとザックスの胸に倒れこむ。


その拍子に、クラウドがビクンと体を跳ねさせたのを、ザックスは見逃さなかった。



「………クラウド………ひょっとして、」


「言うな!言ったら殴る!」


「………」



どうやら自分の考えは図星らしい。



「………何、自分で想像でもした?俺に抱かれるシーンとか」


「ッッッ/////してない!///バカザックス!!!」


「ほんとかぁ?ここ、もうすごいことになってんのに?」


「………っ!あ、やぁ………っ」


「嘘つけ」



俺が、欲しかったくせに。



そう耳元で囁くと、クラウドが腕の中で体を震わせた。



「さて………」



クラウドをベッドに運び、その身体を組み敷いて、ザックスは笑った。


先ほどの柔らかい微笑みとは違う、甘さを含んだ、笑み。



「クラウドのお望みのままに♪」


「ん…っ、あ………望んで、なんか……!」


「素直じゃねぇなぁ……ま、そんなとこも好きだけど」


「ん……っ、バカ………!」



(ほんと、素直じゃねぇんだから)



言葉とは裏腹に、クラウドの体は従順に快感を拾っていく。


肌蹴させた胸の、その小さな飾りに吸いつけば、甘い声が零れるとともに、その背が微かに弧を描いた。



「ん……っ、あ……っ、ざ……クス……」


「クラウド………」


「あっ!?やだ、ザックス……!んぁ、あ、あぁ………っ」



いつもと変わらない場所、変わらない相手なのに。


微妙な雰囲気の差異のせいだろうか、いつもより感じやすくなっている恋人に、ザックスの余裕は早くも消え去った。



「ダメ……っザックス……!イクっ、あ、あ、ん―――――!」



背中を綺麗に反らして、クラウドはそのまま果てた。



「はぁ、は、は………っ、……んっ」


「……悪い、クラウド……」



余裕なくなっちまった。



「んっ、あ、あ………っ」



感じさせる、というよりは、慣れさせる、というように中をかきまぜられて。



「ひぁ……っ、っう!」



一気に貫かれて、散々に喘がされて、啼かされて。







欲しいもの全部をもらって、クラウドは幸せそうに眠りにつきましたとさ♪
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