†DRRR!!花園†
□〜DOLLARS〜日本軍関東地区副都心支部池袋基地 紅の貴花″編
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「あー、これは……あの人黒髪だからなぁ」
「ちょっと変かもね」
2人であーだこーだ言いながら何点か購入し、帰路につく。
「やぁ、お帰り2人とも」
「こんなんでいいっすか」
「……へぇ、やっぱり2人に頼んで正解だったかな」
センスが良いね、といわれる。
「臨也……って、何だ?そりゃ」
「「少佐!」」
ビシ、と2人は敬礼の姿勢を取った。
「ああ、お前らもいたのか」
少佐―――平和島静雄も軽く礼で返し、臨也に向き直った。
「何、シズちゃん。シズちゃんのほうから俺の所に来るなんて、珍しい」
「……テメェが敵陣(むこう)に乗り込むって聞いたからな。……どういうつもりだ?」
「どういうも何も、俺が直接情報を……」
「そういう意味じゃねぇよ」
「?」
静雄は着物を指差した。
「まさかテメェ、それ着てうろつくつもりじゃねぇだろうな」
「そのまさかだけど?」
「…………テメェ」
静雄の眉間にギュッとしわが寄る。
「………自分が何言ってっか、分かってんのか?」
「分かってるよ?その上で言って……」
「そんな恰好で行ったら、何されるか分かんねーだろうが」
「………どういう意味?」
ここにきて、初めて臨也の表情が変わった。
「…………向こうの上が、相当女好きらしい。見かけた女全員に声かけて、そのまま自分のモンにしちまうらしいぜ」
要するに、強引な手を使うこともあるわけで。
それは、つまり。
「手ェ出してくることも、あるんだと」
「「…………」」
「……どこで聞いてきたのさ」
「タバコ買いに街出たとき、女達が話してたぜ」
「ふぅん……?……まぁでも、俺は男だし、仮に襲われたとしても返り討ちにすればいいよ」
「………………」
納得のいかない様子の静雄だったが、吸っていた煙草の煙を吐き出して、くるりと踵を返した。
「………手前が思ってるほど、甘くねぇぜ」
「あ、少佐……っ」
「えーとじゃ、俺たちも失礼します、臨也さん」
複雑に考えこんでいる臨也に一言言って、2人は静雄の後を追った。
「「少佐!」」
「あ?……お前らか、どうした?」
「少佐、さっきのって………」
「ああ……チッ、あのノミ蟲………」
「甘くない……って、どういうことっすか?」
「………勘、だけどな」
「勘……」
思わず、顔を見合わせた。
静雄の勘は、相当当たる。
「こっそり護衛とかついといた方がいいのかなぁ………」
「さすがになぁ……」
「ああ、そのつもりだ」
「少佐自ら……ですか?」
「……下手すりゃその場で戦争だ。一人くらい暴れるのがいた方がいいだろ」
あんなクソノミ蟲野郎でも、居てもらわなきゃ困る。
「……………第一部隊でノミ蟲の護衛だ。本人にも、周りにも、絶対に気付かれんな。……そう伝えとけ」
「「了解!」」