†FFZ花園†
□夜桜之月
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「わぁあ・・・」
「お、よかった、満開だな」
ザックスとクラウドは夜に花見に来ていた。
「凄い・・・」
綺麗だ、と感嘆のため息をついてクラウドはライトアップされた桜を見上げる。
「桜・・・」
ひらひらと、花びらが舞いおちる。
してそれは、そっと手を伸ばしたクラウドの手のひらに収まった。
「すげー綺麗だろ、ここの桜。一度、クラウドを連れてきたいと思ってたんだ」
「うん・・・すごく綺麗だ。ありがとうザックス」
桜を見上げたまま、どこか恍惚とした表情で、クラウドは感謝の言葉を口にする。
(・・・・・・ヤバイだろ、これは・・・・・・)
桜を見上げたままのクラウドの後ろで、ザックスは思わず口に手をやってあらぬほうを向いた。
なぜなら。
(あーー・・・可愛すぎる・・・)
彼は悶絶寸前であった。
「ザックス・・・?」
急に黙ったザックスに、クラウドが振り返る。
「何、気持ち悪いのかザックス?人酔い?いやまさかザックスがそんなわけないよな」
「ああ、別に何でもないから」
(お前に悶えてた、なんて言えるか)
「来てよかった?」
「うん。・・・なぁ、ザックス」
「うん?」
クラウドは桜に負けず劣らず綺麗に微笑んで言った。
「また、来年もきたい」
「・・・!あぁ、また連れてきてやるよ」
それは小さな、二人の未来の約束。
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