†DRRR!!花園†
□〜DOLLARS〜日本軍関東地区副都心支部池袋基地 十六夜″編2
1ページ/5ページ
「よしっ、点いたっ」
「バカだよねぇ、東風なのに」
「さすがに火使うとは思わなかったんじゃない?」
「俺は、知ってたけどなっ」
「「「!?」」」
まさかと思って振り返ると、1度見たことのある顔があった。
「な〜んだ、貴方かぁ」
「六条千景君だっけ?もう、驚かさないでよぉ」
「ホント、びっくりしたぁ」
口々に言う女たちに、千景は苦笑した。
「俺、火傷には気をつけろって言ったと思ったんだけど?」
「えー、そういう意味ぃ?」
「分かんないよぉ」
「あれっ?でも、どうしてここに?」
一美は、当然の疑問を口にした。
「時間とか、言ったっけ?」
「16ってことは言ってたよ、瑞希」
「え、マジ?え、でも、なんで………」
「…………知ってたぜ?」
「「「えっ?」」」
千景は相変わらず苦笑したまま、言った。
「知ってたぜ?君たちと別れた後、俺の上司がどうやったんだか、暗号ゲットして、
それを新米だけど相当スキルのある子が解析してよ。……だから」
全部、知ってたぜ?
「ま、さか」
「………日本軍関東地区副都心支部池袋基地、通称゛DOLLARS″諜報部所属―――六条千景」
「「「っっっ!!!」」」
「―――だから俺、言ったろ?」
火傷には、注意しろと。
「俺でよかったな。もしうちの上官だったらもう、今頃お姉さんたち、まぁその、ぶっ殺されてたぜ」
「何、で」
本当に、特に興味もなさそうだった。
己の所属する組織―――゛DOLLARS″に。
それなのに、どうして。
「興味なんてねぇよ」
「え……」
「な……っ」
あっさりと言い切った千景に、女たちは驚愕の表情を見せた。
「ダラーズになんて、興味はねぇよ。でも……あいつは、DOLLARS(ここ)にいるから」
幸せそうな表情で、千景は言った。
それは、大切な人―――愛する人を想う者の。
「あいつは絶対に泣かねぇよ、強ぇから。……でもな、俺とあいつは、ここに居るんだ」
2人の居場所は、他でもない、ダラーズ(ここ)だ。
「あいつが軍で生きていく限り、俺もずっと軍の人間として生きていく。あいつと共に」
だから。
「それを壊すってんなら……例え誰であろうと、容赦はしねぇ」
言い切った千景にいつものノリはなく、真顔で、真剣だった。
「………っ」
「だから、全員潰す」
どうする?
「もう2度とかかわらねぇって言うんなら、見逃すぜ」
ただし、野郎どもは全員、ぶっ殺すけど。
「……私は、楸の所へ行く」
「止めとけ」
「っ、何で!」
「瑞希……」
「何されるか、分かってねぇだろ!」
千景は、顔を歪めた。
決して優しくはない、突きつけられる現実。