♪お題♪

□99%の代名詞と1%の固有名詞
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「あ………っ、あ、あ……っ!」

「……はぁ………っ」

「……っあ……あ、あんっ、や……っ」

「嫌だと?嘘ついてんじゃねぇよ」

「んあ……っ!?」

「―――――ホラ、いい声で啼くじゃねぇか」

「……っ、シズ、ちゃん……っ!」


静雄の背中につめを立て、臨也は限界を訴えた。


「―――本っ当に、手前はいつまでたってもシズちゃん言いやがって……」


静雄は渋い顔をした。


「シズちゃんに、言われたく……な……っあ!」

「あ……?」


どういう意味だ。


「シズちゃん、まず名前ですらないし……っ」


臨也のいの字もない。



『手前……これ、誰がやった』

『ったく、手前はよぉ……』

『本っ当に、手前はいつまでたっても……』


テメェだのなんだのって、全部代名詞。


「オレにだって、折原臨也って名前が―――ぅあっ!?」

「るせぇな……ちゃんと、理由があんだよ」

「嘘、だ……んあっ!?っあ、あ、これ、やだ……っ!」

「……嘘ついてんのは手前のほうじゃねぇか」

「違……っ、それにまた……っぁあ!」


臨也の苦手な体位である騎乗位にさせられて、深く静雄が入り込んでくる。


下から激しく突き上げられて、臨也は髪を振り乱した。





ぐちゃぐちゃになっていく。


ぐちゃぐちゃにされていく。





心も、体も、脳みそまでも。




「あぁっ、は……っ、あ、あぁあっ、もう……」

「もう限界なのかよ?仕方ねぇな……」

「……っあ、あぁあ………っ!」


一際大きく突き上げられて、悲鳴に近い嬌声をあげ、臨也は絶頂へと登り詰めた。


「―――――イザヤ………っ」

「!」


少し遅れて、静雄の熱が叩きつけられる。


「―――静雄」

「あ……?なんか言ったか?」

「シズちゃんって言ってみただけ」

「………?」


本当は別に、代名詞だって何だっていい。

必ず最後に、呼んでくれるから。



『―――――イザヤ』



互いに果てた、その瞬間だけは。

いつもの代名詞なんかじゃなくて、臨也という―――固有名詞で。


ちゃんと、呼んでくれるから。


何となく、でもすごく嬉しくて。

ついつい甘えてみたくなる。







すり寄るようにして静雄に抱きつき、臨也は幸せそうに、眠りに落ちた。




→あとがき
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