†REBORN!!花園†

□巡りゆく時の彼方に 1章
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「…………どう思う?」

「………どう、とは」

「そのまんま。彼だよ」


上から下まで漆黒に統一された、深くフードをかぶっている男とも女とも判断のつかない―――恐らく男だろうか―――彼は、隣に腰かけている少年に言われ、改めて眼下を見降ろした。


「……あの技次第だ」

「あ、やっぱり?」


その答えを受けて、手で懐中時計を弄んでいる少年は、満足そうにほほ笑んだ。


「それにしてもすごいね、あの零地点突破・改"」

「あぁ」

「でもやっぱり、あれが見たいよねぇ……あれって氷だけど、密度とか温度とかって、どうなってるの?」


後ろを振り返る。


「分からないけど、多分私のよりはずっとすごいと思う」

「ひぇー、そんななんだ」


一度そこで会話は途切れ、3人は再び地上に目をやった。


3人が今いるのは、並盛中学校の屋上。

そしてその下では、激しい戦いが繰り広げられていた。







リング争奪戦。






彼らはリング争奪戦の、最期の戦いの場にいた。


「そっくりだよね」

「……初代ボンゴレにか」

「うん」


少年は頷くと、首のチェーンの先にあるものを引っ張り出した。


ボンゴレリング。


それを懐かしそうに眺めて、少年―――時槻刻は、ふぅ、と軽くため息をついた。


「……刻」

「ん?」

「そろそろ終わりそうだ」

「マジ?」


漆黒の彼と思われる―――黒崎闇夜が地面を指さした。


刻が目をやると、ちょうど同い年の初年―――沢田綱吉が、あの技を発動したところだった。


「―――零地点突破・初代(ファースト)エディション」



ピシ・・・・・・ビシビシッ
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