†REBORN!!花園†
□巡りゆく時の彼方に 序章
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「―――さて、君はどうする?」
「……聞かずとも、もうお前には分かっているだろう」
「ああ、分かってるよ。だからこそ、敢えて訊いてみたんだ」
洒落た恰好の男は、ふ、と微笑した。
「……結局、幻″と見(まみ)えたのは、一度きりでしたわね……」
「……そうだな」
ほんのわずか、淡い水色のかかった白い着物の女がうつむく。
それとは対照的に、上から下まで全てを黒に包み、深くフードをかぶった、男とも女ともつかない者がそれに応えた。
「仕方ないよ、幻″だからね。本当は、一度も見ることはなかったんだろうし」
微笑を浮かべたままで、洒落た男は軽くため息をついた。
「……これから、ボンゴレはどうなっていくのかな」
「それももう、知っているだろう、お前」
「……いや、一つだけ、まだ僕も見てない代がある」
「どこですか?」
一拍、間があった。
「十代目」
「十代?」
「そう、十代。……ちょっと面白いことになってるみたいだ」
「面白い、というと?」
「……十代の時を越えて、再び僕らが姿を現した」
「「!!!」」
「十代目の時″、闇″、雪″、そして幻″……まぁ、幻″である彼女に関しては、彼女のまんまだけどね」
「………そうか」
「……さぁ、そろそろ行った方がいいんじゃないかい?君たちは」
「貴方は、どうするの?」
「……僕は、時″だ。だからこの時空のどこかに留まったままで」
「……そう。なら、ここでさようならね」
「じゃあね。ニーヴェ、それにデーキィオも」
「ああ。……行こう、ニーヴェ」
デーキィオと呼ばれた初代闇の守護者は、夜色のマントを打ち鳴らして、
白―――ニーヴェと呼ばれた、初代雪の守護者とともに、闇に溶け込んだ。
「……さて、僕も行くとしようかな」
自らを時″と称した男―――初代時の守護者、T・クローバーは、どこからともなく、トランプを取り出した。
クローバーがゆっくりと手を広げていくと、まるで糸でもついているかのように、整列して一枚一枚のトランプも広がっていく。
彼は、彼のその姿は、魔術師(マジシャン)だった。
「果たして、十代はどうなっているんだろうね?」
クローバーは、瞳に燃え上がる館を映して、どこか悲しく微笑んだまま、ポツリとつぶやいた。
「………さあ、僕ももう行かなくちゃね。………また、会おう」
唯一絶対の忠誠を誓った、僕の主。
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